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【特集】フラベッドH Research Memo(6):介護ロボット「自動寝返り支援ベッド」に好反響

フラベッドH <日足> 「株探」多機能チャートより

■フランスベッドホールディングス<7840>の事業戦略

(4) 「自動寝返り支援ベッド」
他社に先駆けて商品化した「自動寝返り支援ベッド」は、身体を動かすことが困難な人の寝返りを支援する自動運転の寝返りサポート機能により、家族や介護従事者を始めとする介助者の負担を軽減する。2017年5月に施設向けを発売し、2018年1月より介護保険対象商品として在宅向けレンタルが開始された。

寝たきりの人の床ずれ防止のため、介助者は昼夜を問わず2時間おきに体位変換をサポートする必要がある。ある介護老人保健施設の経営者は、24時間の労働のうち体位変換にまつわる仕事が4時間を占めており、同商品を導入していなければ、もう1割ほどスタッフを補充しなければならないと述べた。度重なる体位変換作業は、介助者の身体的な負担が大きく、腰痛の原因となる。夜間の作業は大きな負担であり、介護職員の離職の原因となっている。新製品の登場は、介護従事者だけでなく、介護施設運営者にとっても朗報となる。これまで体位変換時に起こされてしまった利用者も、恩恵を受ける。

後述する新中期経営計画では、「自動寝返り支援ベッド」の販売を4,000台、累計レンタル件数を6,000件と想定している。

同社は、以前にも電動の寝返り支援ベッドを商品化していた。今回の新製品では、マイコンを搭載することで自動運転を可能にした。自動運転の寝返りサポート機能は、見やすい液晶表示のコントローラーで角度や時間、速度などを細かく設定でき、タイマー機能もある。操作しやすい手元スイッチによる手動運転も可能だ。背上げ角度は最大72度、脚上げ角度は24度まで上がり、ベッドの高さは最大32cmまで下がるので車いすへの移乗にも便利だ。洗髪やシーツ交換などでは、必要に応じてヘッドボードとフットボードが簡単に脱着できるように設計されている。

病院施設が導入しやすいように、特別なリース・スキームも用意している。1台からリース契約が可能で、導入しようする施設の投資負担が抑制される。

(5) マットレスの新製品
同社グループは、1956年からベッドの開発を始めた老舗メーカーであり、マットレスの開発・製造に優れ、品質・性能には定評がある。ベッドは、サンリオ<8136>のキャラクターズベッドから世界有数のホテルで採用されている「Slumberland(スランバーランド)」まで豊富な品ぞろえを持つ。マットレスは、高温多湿な日本の気候に最適な通気性の高い「高密度連続スプリングマットレス」を国内で一貫生産している。品質検査は、ローリングや8万回強打とJIS規格より厳しい社内規定を制定している。従来からの快適な睡眠をもたらす性能はもとより、顧客や販売パートナーの要望を反映して独自商品を開発している。

コンパクト梱包のポケットコイルマットレス「La deuxieme(ラ・ドゥーゼム)」
「La deuxieme(ラ・ドゥーゼム)」は、「ベーシックでも質の高い睡眠を気楽に楽しむ」をコンセプトとする新しいマットレスブランド。高耐久ポケットコイルマットレスを、挑戦的な価格で提供する。マットレスはポケットコイルを並行配列していることから交互配列型よりも通気性に優れ、寝心地をさわやかにする。また、縁を7cmのウレタンでサポートしており、ベッドからの立ち上がり時に周囲が落ち込まず楽に立ち上がれる構造にしてある。最大の特長は、ロール圧縮コンパクト梱包を可能とし、運搬時は宅配業者が扱う大きさに収まっていることだ。狭い通路でもスムーズに搬入でき、配送時のスペースも少なくて済む。ネット通販業者が、売りやすい商品コンセプトとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《MH》

 提供:フィスコ

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