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【特集】アドバネクス Research Memo(6):2019年3月期は、2.5%の増収、34.9%の営業増益を予想

アドバネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■アドバネクス<5998>の今後の見通し

1. 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期は、売上高が前期比2.5%増の20,800百万円、営業利益で同34.9%増の350百万円、経常利益が同34.9%増の320百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同3.2倍の160百万円と増収増益が見込まれている。売上高営業利益率は、前期の1.3%から1.7%へ改善する。為替レートは、1米ドル当たり100円を前提としていることから、業績予想に一定のアラウアンスをとっている。


収益プラス工場の営業利益合算額は12億円
2. 工場別収益改善の取組み
同社の国内外の工場の収益状況は、開設もしくは買収後の経過年数で顕著な傾向が見て取れる。特殊要因を除けば、開始後5年以上経過する工場はおおむね黒字である。一方、4年未満は、総じて赤字を計上している。利益を出している工場の営業利益の合算額は、中期経営計画の2021年3月期の目標値である12億円に相当する。現在収支がマイナスの工場の赤字幅圧縮、黒字転換に注力している。

稼ぎ頭は、タイ及びイギリスにある工場群になるが、地域が分散する中国でも利益を上げている。日本に古くからある新潟工場、大分工場、青森工場も収益がプラス側にある。新設して2年しか経っていない埼玉工場は、損失金額が大きい。一方、船橋電子を買収して得た千葉工場も、宮城工場を統合したものの赤字が続く。2015年から携帯電話用アンテナの売上高が半減した影響が大きい。海外では、買収したインドネシア工場が、M&A後に受注を控えたため、黒字化は来期以降となるだろう。子会社化後に、同社の生産技術や品質・納期管理システムを導入したことから、品質が改善し、顧客の信頼を回復した。2018年4月には、社名もPT. Advanex Precision Indonesiaへ変更した。今後は、線ばね、フォーミングの導入を計画しており、新規受注の獲得に励む。

アメリカ工場は、メキシコ工場の立上げ支援を主導した負担が収益を悪化させた。アメリカから設備を移管し、人材採用、メキシコからの30名にも及ぶ研修生の受け入れ、顧客との交渉、運転資金の面倒まで見た。今期は、メキシコ支援の負担がなくなり黒字化の見通しだ。医療向け顧客の生産拠点がイギリスからアメリカに拡大したことから、イギリス工場と同一製品をアメリカでも生産することになった。新製品の生産に関しては、イギリスから金型などの設備や技術支援を受けられるため、立ち上がりが早い。

メキシコ工場は、今期に日本から営業と技術の両面で支援を受ける。アメリカ政府の政策変更があり、競合先がメキシコ進出に躊躇したため、特に日系企業から想定以上の引き合いが同社に集中している。日本国内でも日系Tier1への売り込みを強化している。メキシコには、日本で実績のある設備と金型を移管する。技術面では、線ばね及びプレス技術者を派遣する。2019年3月期中に新製品の量産を開始する。今下期から黒字化を見込み、6,000平米の増床を計画している。

自動車専用と位置付けられている埼玉工場は、生産性・収益性の向上を図り、赤字幅の縮小に注力する。黒字化は、2019年3月期以降と見られる。前期まで、他の工場から設備を移管し、人材採用、教育、試作、客先評価、顧客認定監査進などを進めてきた。今期は、上期中に自動車向け品質マネジメントシステム規格であるIATFの認証を受けられる見込みであるため、新製品の量産化が加速される。前期は、設備稼働率がインサートカラーで70%、インサートモールドでは30%にとどまった。新製品の量産が開始できるまでは従来量を余分な固定費をかけ生産している状況であった。軌道に乗れば、インサートモールドの稼働率も向上し、2シフトを採用することも検討している。2020年以降の需要拡大に対応するため、工場面積を5,000平米から9,000平米程度へ拡張する計画に着手する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《SF》

 提供:フィスコ
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