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【経済】NYの視点:米朝首脳会談で朝鮮戦争終結の動きは加速するか?


トランプ米大統領は先週24日、6月12日にシンガポールで予定されていた米朝首脳会談を中止すると発表したが、翌25日には一転して北朝鮮との対話を再開したことを明らかにした。トランプ大統領は26日、米ホワイトハウスで記者団に対し、一度中止を発表した米朝首脳会談について、「とても順調に進んでいることに言及したい」と述べ、「我々は6月12日のシンガポールでの開催を見据えている。その予定は変えていない」と語り、当初の予定通りに開催をめざす方針を明らかにした。トランプ氏は韓国の文在寅大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2回目の南北首脳会談について、「対話は、とてもうまくいった」と評価した。

東アジアにおける安全保障問題の専門家や有識者の間では、史上初となる米朝首脳会談の最大の目的は朝鮮戦争を終結させること(平和条約の締結)であるとの見方でおおむね一致している。首脳会談開催の必要条件としては「米国が北朝鮮の現体制を保証するとの意思を明確に表明すること」を挙げている。そうすることによって、北朝鮮があらゆる大量破壊兵器をすみやかに廃棄する可能性が高まり、朝鮮戦争の終結(平和条約の締結)への具体的な動きが加速することが期待できる。朝鮮戦争を終結させるためには、米国と中国の関与が必須であるため、両国の関係が著しく悪化しないことも大変重要になるとみられている。

6月12日の米朝首脳会談の場で朝鮮戦争を実質的に終結させることは現実的ではないものの、米国、中国、韓国、北朝鮮の4者協議を開催することで双方が合意すれば、朝鮮戦争終結への期待は一段と高まることが予想される。朝鮮戦争の終結は日韓の株式市場にとって大いなるプラス材料になる。南北統一を視野に入れた北朝鮮におけるインフラ整備などの大規模な投資・開発案件も浮上するとみられており、技術力のある日本企業が開発案件に多く絡んでいくことが期待される。

《CS》

 提供:フィスコ

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