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【経済】NYの視点:円買い持ちに転じる:今週の注目:米FOMC議事録、北朝鮮、伊新政権


短期投機家・投資家の円の持ち高は再び買い持ちに転じた。このため、円の下落余地が広がる。ユーロの買い持ち高は5週連続で減少したものの依然、減少幅は小幅にとどまった。過去最高水準付近で推移しており、ユーロの上昇は依然限定的と見る。

今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)(5月1,2日開催分)の議事録を公表する。この会合で、FRBは予想通り政策金利を据え置いた。予想ほどタカ派色を強めず、年3回の利上げ軌道を確認するにとどまった。最近の指標がインフレの上昇や4-6月期の経済成長ペース加速を示唆し、年4回の利上げ観測が強まる中、議事録の中で、利上げペース加速の可能性が示唆されているかどうかに焦点が集まる。インフレや経済に新たに楽観的な見方が示されると年4回の利上げ観測にドル買いが一段と強まると見る。

リスク要因としては、ドル高の流れを受けた新興諸国通貨の下落による影響。また、ポピュリスト政権が誕生したイタリア国債の動向。ユーロ離脱の可能性など、政局への懸念がくすぶり、格付けの足かせとなるとの懸念も浮上。イタリア国債続落で、、利回りは年初来高水準となった。

韓国の首相がワシントンを訪問する。開催を数週間後にひかえた米朝首脳会談の行方を睨んだ展開となる。米国は先週予定していた韓国との軍事演習を取りやめたと報じられている。北朝鮮は軍事演習を理由に、韓国とのハイレベルの対話を突如中止。トランプ大統領はまた、北朝鮮の非核化でボルトン大統領補佐官が指摘したリビア方針を採用しない方針を示し、慎重な対応を強いられている。

ブリュッセルでは欧州連合(EU)が英国離脱協議を再開する。

■今週の主な注目イベント
●北朝鮮
23日:核実験場の閉鎖を開始

●20日:G20外相会談、アルゼンチン、ブエノスアイレスで開催

●米国
21日:ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演、
ハーカー米フィラデルフィア地区連銀総裁講演、
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が質疑応答

23日:連邦公開市場委員会(FOMC)
(5月1,2日開催)の議事録公表カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が質疑応答

24日:ダドリーNY連銀総裁がBOEで講演、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演、
25日:パウエルFRB議長が金融安定、中央銀行に関する講演、
カプラン米ダラス連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演

●英国
24日カーニー英国中央銀行総裁がBOEで講演

●欧州
23日:リーカネンECB理事がフィンランド議会で証言
24日:メルケル独首相、中国訪問

●日本
安倍首相がモスクワ訪問、プーチン露大統領と協議

●地政学的リスク

ロシア
24-26日:エネルギー相が国際経済フォーラムで米国のイラン核合意離脱に関して協議
北朝鮮
23日:核試験サイトの閉鎖を開始

イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

《CS》

 提供:フィスコ

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