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【市況】6日の米国市場ダイジェスト:NYダウは572ドル安、貿易戦争への懸念で全面安

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウは572ドル安、貿易戦争への懸念で全面安

6日の米国株式相場は下落。ダウ平均は572.46ドル安の23932.76、ナスダックは161.44ポイント安の6915.11で取引を終了した。トランプ大統領が中国からの輸入品1000億ドルを対象とした追加関税策の検討を指示したことで、対中貿易摩擦への警戒感が一段と高まり、終日大幅下落となった。3月雇用統計で非農業部門雇用者数が大幅減少となる一方で、平均時給の伸びは予想を上振れたが相場への影響は限定的だった。セクター別では全面安となり、特に半導体・半導体製造装置や資本財の下落が目立った。

バイオ医薬品のインサイト(INCY)は、悪性黒色腫の患者に対するIDO阻害薬(癌腫瘍を守る酵素の働きを阻害する薬品)の臨床試験が目標に到達せず、20%を超す下落。半導体のエヌビディア(NVDA)は、空売り専門の調査会社シトロン・リサーチが同社株価が200ドルを割り込むとの予想を示し、軟調推移。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)は、計25億ドルの無担保社債による資金調達を行い売られた。米長期金利の下落でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融関連企業が下落した。

来週から1-3月期決算シーズンに突入する。ファクトセット社の調査によれば、1-3月期のS&P500構成銘柄の利益は、6日時点で前年同期比17.1%の増益予想と、11年1-3月期以来の利益成長(前年同期比)となる見通しだ。


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■NY為替:リスク回避の円買いに拍車がかかる

6日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円42銭から106円78銭まで下落し106円95銭で引けた。米国の3月雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を下回ったほか、米中貿易戦争への警戒感が再燃し、米債利回りの低下に伴うドル売り、リスク回避の円買いに拍車がかかった。トランプ米大統領が「貿易戦争は若干市場に痛みを与える」と指摘したほか、ムニューシン米財務長官も潜在的な貿易戦争のリスクに言及したことが、投資家心理を悪化させた。ユーロ・ドルは、1.2220ドルへ下落後、1.2291ドルまで反発し、1.2280ドルで引けた。ユーロ・円は、131円62銭へ上昇後、131円17銭まで反落。ポンド・ドルは、1.4003ドルから1.4105ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9649フランから0.9579フランまで下落した。


■NY原油:大幅反落で62.06ドル、米中貿易摩擦による需要減少を警戒

NY原油先物5月限は大幅反落(NYMEX原油5月限終値:62.06 ↓1.48)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比-1.48ドルの62.06ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時61.81ドルまで売られた。米中貿易摩擦への懸念が再度高まり、世界経済の成長鈍化や原油需要の減少が警戒されたことが大幅下落につながった。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は6日、「米中間の通商問題は向こう3カ月以内に解決できる可能性がある」との見方を示したが、市場の警戒感は低下しなかった。米国株が大幅安となったことも嫌気されたようだ。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  29.63ドル -0.69ドル(-2.28%)
モルガン・スタンレー(MS) 53.04ドル -1.82ドル(-3.32%)
ゴールドマン・サックス(GS)249.97ドル -5.84ドル(-2.28%)
インテル(INTC)      48.79ドル -1.59ドル(-3.16%)
アップル(AAPL)      168.38ドル -4.42ドル(-2.56%)
アルファベット(GOOG)   1007.04ドル -20.77ドル(-2.02%)
フェイスブック(FB)    157.20ドル -2.14ドル(-1.34%)
キャタピラー(CAT)     142.99ドル -5.14ドル(-3.47%)
アルコア(AA)       48.05ドル +0.44ドル(+0.92%)
ウォルマート(WMT)     86.69ドル -1.12ドル(-1.28%)
スプリント(S)       5.15ドル -0.02ドル(-0.39%)

《FA》

 提供:フィスコ

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