【市況】21日の米国市場ダイジェスト:NYダウは44ドル安、FOMC発表後一時上昇も買い続かず
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは44ドル安、FOMC発表後一時上昇も買い続かず
21日の米国株式相場は下落。ダウ平均は44.96ドル安の24682.31、ナスダックは19.02ポイント安の7345.29で取引を終了した。午後にFOMC結果発表を控えて、様子見ムードから積極的な売買は限られた。注目のFOMCでは大方の予想通り、政策金利が引き上げられた。パウエル議長は18年の利上げ見通しを維持したほか、経済見通しの改善を理由に19年から20年にかけての金利軌道の傾斜を強めた。発表後に一時上昇したものの、引けにかけて上げ幅を縮小し下落に転じた。セクター別では、エネルギーや自動車・自動車部品が上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが下落した。
食品のゼネラルミルズ(GIS)は、決算内容が嫌気され下落。航空大手のサウスウエスト航空(LUV)は、1-3月期の有効座席マイルあたり旅客収入を下方修正し、価格競争への懸念から軟調推移。同業のデルタ航空(DAL)、アメリカン航空(AAL)も軒並み売られた。一方で、ソフトウェアのミュールソフト(MULE)は、クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)による買収が報じられ上昇。2月の中古住宅販売件数が予想を上振れ、レナー(LEN)、DRホートン(DHI)など住宅建設関連銘柄が買われた。
SNSのフェイスブック(FB)は、個人情報漏洩問題を受けて、ザッカーバーグCEOが再発防止の為に全プラットフォームの見直しとアプリの調査を約束し上昇した。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:ドル反落、FOMCは年内3回の利上げペースを維持との見方
21日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円64銭まで上昇後、105円88銭まで反落し、106円01銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利を0.25%ポイント引き上げたため、一時ドル買いが優勢となった。しかし、2018年の金利見通しで4回の利上げの可能性が示唆されたが、金利予想の中間値が12月と同水準に維持されたほか、声明で経済活動や支出の判断が下方修正されたためドルは上げ渋った。
ユーロ・ドルは、1.2251ドルまで下落後、1.2350ドルへ反発して1.2344ドルで引けた。ユーロ・円は、130円31銭へ下落後、131円07銭へ急反発。ポンド・ドルは、1.4042ドルから1.4151ドルまで急伸した。ドル・スイスは、0.9550フランから0.9485フランへ下落した。
■NY原油:大幅続伸で65.17ドル、原油在庫は予想外の減少
NY原油先物5月限は大幅続伸(NYMEX原油5月限終値:65.17 ↑1.63)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比+1.63ドルの65.17ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時65.53ドルまで買われた。米エネルギー情報局(EIA)が21日発表した週間在庫統計で、原油在庫は予想に反して減少していたことが要因。市場では325万バレル程度の増加が予想されていたが、原油在庫は262.2万バレル減少していた。また、製油所の稼働率は90%台に上昇し、石油精製余力は乏しいことも意識されたようだ。ガソリン在庫の減少幅は市場予想を下回った。なお、米利上げ発表後に原油先物は一時65ドルを下回ったが、その後65.55ドルまで買われている。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 31.87ドル -0.11ドル(-0.34%)
モルガン・スタンレー(MS) 57.11ドル -0.36ドル(-0.63%)
ゴールドマン・サックス(GS)261.85ドル -1.34ドル(-0.51%)
インテル(INTC) 51.56ドル +0.01ドル(+0.02%)
アップル(AAPL) 171.27ドル -3.97ドル(-2.27%)
アルファベット(GOOG) 1090.88ドル -6.83ドル(-0.62%)
フェイスブック(FB) 169.39ドル +1.24ドル(+0.74%)
キャタピラー(CAT) 155.80ドル +1.74ドル(+1.13%)
アルコア(AA) 47.95ドル +1.48ドル(+3.18%)
ウォルマート(WMT) 88.18ドル +88.18ドル(+0.26%)
スプリント(S) 5.16ドル +5.16ドル(-0.58%)
《HT》
提供:フィスコ