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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米インフレ上昇も北朝鮮への警戒根強い

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。米インフレ指標の上昇予想から連邦準備制度理事会(FRB)による金融正常化の方針堅持を見込んだドル買いが強まろう。反面、北朝鮮の制裁に対する報復への警戒は続き、リスク回避的な円買いがドルの重石になりそうだ。

前日発表された米国の7月JOLT(求人労働移動調査)求人件数は617万件と予想を上振れ、過去最高となった。今晩21時半発表となる8月生産者物価指数(PPI)は7月の前月比マイナスからプラス転換が見込まれ、堅調な内容となれば明日発表の8月消費者物価指数(CPI)への思惑も広がり、FRBの金融正常化の方針堅持を見込んだドル買いが継続する見通し。本日のアジア市場で、ドル・円は下落局面となっても110円付近を維持する底堅い値動きをみせており、海外市場では米インフレ指標を受けて110円台が定着する展開もありうる。

ただし、ドル・円の上値は重くなりそうだ。国連安保理は日本時間12日、北朝鮮が3日に強行した核実験に対して、同国への石油輸出に上限を設定した制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮はすぐには反応を示さなかったが、本日発表した「外務省報道」で今回の制裁決議を非難したうえで、「激しく糾弾し、全面排撃する」と米国への対抗を継続する構えをみせている。国連安保理の決議が穏やかな内容になったことを受け、朝鮮半島有事への過度な懸念は収束したが、警戒の円買いは引き続きドル・円の上昇を抑えそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5-7月ILO失業率(予想:4.4%、4-6月:4.4%)
・18:00 ユーロ圏・7月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、6月:-0.6%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+3.3%)
・21:30 米・8月生産者物価指数(前月比予想:+0.3%、7月:-0.1%)
・02:00 米財務省30年債入札(120億ドル、リオープン)
・03:00 米・8月財政収支(予想:-1190億ドル、16年8月:-1071.12億ドル)

《CS》

 提供:フィスコ

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