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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋り、米大統領のNAFTA打ち切り示唆発言など注視

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を想定したい。北朝鮮リスクへの過度な警戒は後退し、円売りに振れやすい見通し。ただ、トランプ米大統領の北米自由貿易協定(NAFTA)の打ち切り示唆などの発言が嫌気され、ドル・円やクロス円が押し下げられる可能性もありそうだ。

21-31日の予定で米韓合同軍事演習が実施されており、米朝の突発的な衝突に対する不安が残されるものの、ティラーソン米国務長官が北朝鮮との対話実現に前向きな姿勢を示したことは、市場の過度な警戒を和らげているようだ。同長官は22日、国連安保理が北朝鮮への制裁決議を採択した後、挑発行為は行っていないとしたうえで、「近い将来」対話の道が開かれるとの見通しを示した。

また、トランプ政策の前進にも期待が広がる。米共和党のライアン下院議長は、税制改革法案に関し共和党議員の間で合意が形成されているとの認識を示したため、法案成立を見込んだ株買いが進み、長期金利が上昇し、ドルが押し上げられた。本日午前のアジア市場ではこうした要因から日経平均株価の上昇を手掛かりにリスク選好的なドル買い・円売りの流れとなり、ドルは前日NY高値109円65銭よりも高い109円83銭まで上昇した。

ただ、トランプ大統領はアリゾナ州で行われた支持者集会で、「ある時点でNAFTAを終了させる」とし、「政府の閉鎖が必要になっても」メキシコ国境の壁建設の実現に意欲を示した。12日にバージニア州で白人至上主義者と反対派が衝突した事件を受けて、18日に政権中枢のバノン首席戦略官兼上級顧問を更迭するなど混乱が広がるなか、政権運営に不透明感が強まる可能性から、ドル・円やクロス円にはネガティブな要因となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・8月製造業PMI速報値(予想:56.3、7月:56.6)
・17:00 ユーロ圏・8月サービス業PMI速報値(予想:55.4、7月:55.4)
・17:00 ユーロ圏・8月総合PMI速報値(予想:55.5、7月:55.7)
・17:00 南ア・7月消費者物価指数(前年比予想:+4.6%、7月:+5.1%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+0.1%)
・22:05 カプラン米ダラス連銀総裁講演
・22:45 米・8月製造業PMI速報値(予想:53.5、7月:53.3)
・22:45 米・8月サービス業PMI速報値(予想:55.0、7月:54.7)
・22:45 米・8月総合PMI速報値(7月:54.6)
・23:00 米・7月新築住宅販売件数(予想:61.0万戸、6月:61.0万戸)

《CS》

 提供:フィスコ

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