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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、材料不足でドル買い手控え

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。ドルの調整が進み値ごろ感が強まったことで、買い戻し基調は続くだろう。ただ、相場を動かす材料が乏しく、積極的なドル買いは手控えられそうだ。

前日の欧米取引時間帯では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ当局者の発言が注目された。そのうち、シカゴ連銀のエバンズ総裁はNYでの講演で、「インフレが上昇することにやや自信を強めた」としながらも、「今年3回の利上げは理にかなう。それ以上、それ以下の可能性も」として慎重な発言に。一方、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「年内3回以上の利上げも除外できない」とややタカ派寄り見解。しかし、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、「労働市場は完全に回復していない」「インフレ期待は依然非常に抑制されている」と述べ、強弱まちまちで、ドルを押し上げる材料とはならなかったようだ。

20カ国財務相・中銀総裁会合(G20)を通過し、足元では材料出尽くし感からドル・円の値動きが鈍化している。3連休明け21日の東京市場では、日経平均株価の安寄りを手がかりに一時112円27銭まで下落。その後、値ごろ感による買い戻しが強まり112円86銭まで値を戻したが、上値は重い。今晩はダドリーNY連銀総裁のパネル討論会出席や、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁の講演が予定されるものの、前日の3氏の発言よりも強い買い手がかりになるとは考えにくい。ドル・円の買い戻しは目先継続する見込みだが、113円を大きく上放れる展開は想定しづらい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・2月消費者物価指数(前年比予想:+2.1%、1月:+1.8%)
・18:30 英・2月生産者物価指数・産出(前年比予想:+3.7%、1月:+3.5%)
・18:30 英・2月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+32億ポンド、1月:-94億ポンド)
・19:35 ダドリーNY連銀総裁がパネル討論会出席(英中銀開催会合)
・21:30 米・10-12月期経常収支(予想:-1290億ドル、7-9月期:-1130億ドル)
・21:30 カナダ・1月小売売上高(前月比予想:+1.5%、12月:-0.5%)
・01:00 ジョージ米カンザスシティ連銀総裁講演(米国経済見通し)
・07:00 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(リッチモンド大学)
・安倍首相がユンケル欧州委員長・トゥスクEU大統領と会談
・EU財務相理事会

《SK》

 提供:フィスコ

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