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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は値を戻す展開か、G20思惑で円買いも

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は値を戻す展開を予想したい。欧州での早期利上げに絡む思惑などからユーロ・円などクロス円が上昇しており、ドル・円を押し上げる可能性がある。ただ、20カ国財務相・中銀総裁会議(G20)が始まることで、貿易問題に絡む思惑的な円買いもある程度想定しなければならないと思われる。

前日の海外市場では、15日に行われたオランダ総選挙で反EU・排他主義の極右政党が伸び悩んだことで、欧州政治リスクがやや後退。そうしたなか、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が、欧州中央銀行(ECB)の金融政策が利上げの軌道上にあるとの見解を示し、ユーロ買いを誘発した。また、15-16日に開かれた英中銀金融政策委員会で、現行の金融政策の維持を決めたものの、委員の1人が利上げを主張し、早期利上げへの思惑からポンド買いが強まった。

本日のアジア市場では、日経平均株価の続落や米長期金利の弱含み推移にもかかわらず、ドルは一時113円半ばまで値を戻した。足元ではユーロ・円やポンド・円などクロス円の上昇がドル・円を押し上げているもよう。ただ、今晩から週明けにかけては円買い要因もある。ドイツで18日まで開催されるG20財務相・中銀総裁会議に向けて、ムニューシン米財務長官が「いくつかの国との貿易不均衡に対処したい」と発言。先行きドル安・円高をイメージしやすい状況でもある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・1月貿易収支(12月:+281億ユーロ)
・22:15 米・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、1月:-0.3%)
・22:15 米・2月設備稼働率(予想:75.5%、1月:75.3%)
・23:00 米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:97.0、2月:96.3)
・23:00 米・2月景気先行指数(前月比予想:+0.5%、1月:+0.6%)
・G20財務相・中銀総裁会議(独バーデン・バーデン、18日まで)

《SK》

 提供:フィスコ

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