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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は小じっかり、トランプ新政権の無難な船出に期待

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの値動きを想定したい。米国のトランプ政権発足でイベント・リスクが後退すれば、安心感によるドル買いが入りやすい。また、連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派寄りのスタンスを背景とした米長期金利の上昇も、ドルを押し上げる要因となりそうだ。

日本時間21日2時から行われる米大統領就任式で、ドナルド・トランプ氏が第45代大統領に就任する。セレモニーでは就任にあたり宣誓や演説が予定されている。金融市場関係者が期待する具体的な経済政策への言及は、新大統領による今月末の一般教書演説まで待たなければならないが、就任式が無難に終われば安心感によるドル買いが見込まれる。

また、イエレンFRB議長は足元の講演で「緩やかな利上げを実施していくことは理に適っている」(日本時間19日)、「緩やかな利上げが賢明」(同20日)と目先の金融政策の正常化に前向きな見解を示している。こうした発言を受け、米国10年債利回りは2.3%台から2.4%台に上昇。ある市場筋は「ドルは下値が堅くなった」との見方を示す。

このため、今晩から週明けにかけてのドル・円はやや買いが入りやすく、115円台を中心とした値動きとなりそうだ。下落局面となっても、利上げ加速観測の継続で米長期金利の上昇を手がかりに、底堅い値動きが予想される。

一方、ムニューチン次期米財務長官候補は、19日の上院指名承認公聴会での証言で、「ドルの長期的な強さが重要」と強調した。ただ、スカラムッチ次期上級顧問によるドル高リスクに関する警告の方がトランプ政権の政策スタンスに近いとの見方が市場では多く、ドルはやや上値が抑えられる展開を想定しておきたい。(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・16:00 独・12月生産者物価指数(前月比予想:+0.4%、11月:+0.3%)
・18:00 欧州中央銀行(ECB)専門家調査報告
・18:30 英・12月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.1%、11月:+0.2%)
・22:30 カナダ・12月消費者物価指数(前年比予想:+1.7%、11月:+1.2%)
・22:30 カナダ・11月小売売上高(前月比予想:+0.5%、10月:+1.1%)
・23:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(経済見通し)
・02:00 米大統領就任式(トランプ氏宣誓)
・03:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が会合閉会あいさつ

《SK》

 提供:フィスコ

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