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【材料】時価総額上位のバイオ関連が上値追い、主力株一服で個人投資家の資金シフト◇

そーせい <日足> 「株探」多機能チャートより
 そーせいグループ<4565>が続伸となったほか、ペプチドリーム<4587>、タカラバイオ<4974>など時価総額上位のバイオ関連株が物色人気を集めている。市場では「全般主力株が上昇一服場面にあり、前週末から商いをこなせる流動性の高いバイオ関連に個人投資家資金のシフトが観測される」(準大手証券ストラテジスト)という。

 そーせいは直近では時価総額3000億円のペプチドリームに差をつけられているとはいえ、黒字バイオベンチャーとして両社は時価総額で双璧をなしている。創薬基盤技術を強みにメガファーマとの提携により業績を飛躍させ、傘下のヘプタレス・セラピューティクス社を原動力に成長路線を走ってきた。同社が権利の一部を保有し製薬世界トップのノバルティス社を販売元とするCOPD治療薬「シーブリ」と喘息治療を加えた配合剤「ウルティブロ」については既に日本やドイツで販売されているが、今後は米国という巨大市場での販売開始に期待が高まっている。そうしたなか、前週末はウルティブロについて、ノバルティス社が臨床試験の結果を発表し、既存薬に対し肺機能改善などで優位を示す結果が得られたことを発表、これを材料視する声も出ている。

 また、ペプチドリームは特殊なアミノ酸である特殊ペプチドを活用した医薬品候補物質を創製、独自の創薬プラットフォームシステム「PDPS」を活用して強固な収益基盤を確立し、国内外のメガファーマと数多く共同契約を締結していることで市場の注目度が高い。15年6月期に営業利益段階で約7倍の急変貌を遂げ注目されたが、16年6月期も同前期比83%の高い伸びを継続、その成長性の高さが注目されている。

 タカラバイオは遺伝子工学を駆使した医療分野での研究開発を進めており、そのなか腫瘍溶解ウイルス「HF10」は、がん細胞だけをウイルスが攻撃する画期的新薬として注目され、免疫活用型治療薬との併用に市場の関心が高い。来期にはキメラ抗原受容体を用いた「CAR-T細胞療法」の治験開始にも期待が大きい。

(注)タイトル末尾の「◇」は本文中に複数の銘柄を含む記事を表しています。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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