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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円上値の重い展開か、クロス円上昇一服や米長期金利上げ渋りで

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想したい。重要イベントを終え安心感が広がりやすいなか、来週の連邦準備制度理事会(FRB)による利上げを見込んだドル買いは根強い。しかし、114円80銭付近の上抜けに失敗したことや、前日みられたクロス円上昇の支援が期待しにくいことなどから、ドルの上昇は小幅にとどまる可能性がありそうだ。

前日の海外市場では、ダドリーNY連銀総裁が講演で、利上げ時期の明言は避けながらも、予測通りの経済情勢なら「緩やかな利上げによる金融政策の引き締めを支持する」との考えを示した。また、米国の11月ISM非製造業景況指数(総合)が57.2と予想の55.2、10月の54.8を大きく上回るなど、強いドル買い材料が相次いだ。一方、イタリア国民投票通過でユーロ売りの急激な巻き戻しがみられ、ユーロ・円の買いが強まったことも、ドル・円の押し上げにつながった。

しかし、ある市場筋は「本来なら115円を上抜けていてもおかしくなかったが、ドル・円は伸び悩んだ」との見方を示し、上昇力の弱さを指摘する。現時点では、クロス円の買い戻し(円売り)は一巡しているとみられること。また、米国10年債利回りの上昇ペースが次第に鈍化しているとの印象も広がっていることなどから、ドル・円の一段高は見込みにくい状況といえそうだ。


【今日の欧米市場の予定】
・17:00 EU財務相理事会
・17:15 スイス・11月消費者物価指数(前年比予想:-0.2%、10月:-0.2%)
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP改定値(前年比予想:+1.6%、速報値:+1.6%)
・22:30 米・10月貿易収支(予想:-420億ドル、9月:-364億ドル)
・22:30 米・7-9月期非農業部門労働生産性改定値(前期比年率予想:+3.3%、速報値:+3.1%)
・22:30 カナダ・10月貿易収支(予想:-17.0億加ドル、9月:-40.8億加ドル)
・24:00 米・10月製造業受注(前月比予想:+2.6%、9月:+0.3%)
・24:00 米・10月耐久財受注改定値(前月比予想:+3.4%、速報値:+4.8%)

《WA》

 提供:フィスコ

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