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【特集】「急成長クラウドサイン、驚異的な潜在成長力とは?(2)」弁護士ドットコム・橘大地部長に聞く!<直撃Q&A>

※(1)から続く。

Q3 電子契約サービスでの競合企業はありますか?

橘 日本でのWeb完結のクラウド契約サービスは、当社が初めて導入しました。その後、外資系では米国の「ドキュサイン」という企業が昨年11月頃に、またアドビ システムズが提供する「アドビサイン」が先月に日本市場に本格的に参入しました。なかでも、ドキュサインは世界188カ国で展開しており米国で「ユニコーン(想定時価総額1000億円以上の未上場企業)」と呼ばれる企業の1社です。ただ、ドキュサインやアドビサインのサービスは、担当者がサインをして契約を取り交わすという欧米の文化を背景にした作りとなっています。それに対し、当社のクラウドサインは欧米文化とは異なる日本や中国・韓国に見られる独自のハンコ文化に適したものです。名前や会社名を登録すれば、簡単にハンコが作れて、それを押せばいいシステムを採用しています。日本社会に馴染んだ形態であることが強みとなっています。

Q4 弁護士ドットコムの他のサービスなどとの相乗効果は見込めそうですか。また、今後の成長性はいかがですか?

橘 当社のサービスが伸びている理由のひとつには、弁護士ドットコムが展開しているため、バックに弁護士がついているという安心感があるようです。さらには、ユーザーからは契約書に関して弁護士と相談したいという要望もありますから、先行きは1万人を超える弁護士、そして、税理士ドットコムに登録する2000人を超える税理士という当社ならではの資産を生かして、弁護士、税理士にクラウドサインからオンラインレビュー依頼ができる仕組みも視野に入れています。

 Web上の契約サービスは、世界展開を進めるドキュサインでも、まだ米国の契約市場の1%程度しか取れていないと聞いています。それだけに、クラウドサインの日本での市場開拓は、まだまだ序章の段階だと言えます。クラウドサインが普及することで日本全体の契約の量が増える可能性があると思います。このサービスの普及により、日本社会の紛争を少しでも減らすことに貢献することができればいい、と考えています。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(たちばな・だいち)
 弁護士ドットコム、クラウドサイン事業部長。東京大学法科大学院を卒業し、2010年に司法試験に合格。その後、株式会社サイバーエージェント入社。ベンチャー企業向けの法律事務所での弁護士活動を経て、15年11月に弁護士ドットコムに入社。クラウドサイン事業の他、リーガルテック事業であるAIやスマートコントラクトシステムの開発などを担当。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

最終更新日:2016年11月29日 10時56分

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