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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円の戻り鈍い、“クリントン大統領”でも上昇限定的の見方も

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開となりそうだ。8日の米大統領選に向け「トランプ・リスク」への過度な警戒感は後退し、今夜発表の米国の10月雇用統計を見極める状況にあり、予想内なら連邦準備理事会(FRB)の12月利上げ観測が高まり、ドル買いにつながる見通し。ただ、一方で、米大統領選における市場のメーンシナリオである民主党クリントン候補の勝利でも、ドルの上昇は限定的との見方が出始めており、雇用統計発表の値動きに影響する可能性も。

米連邦捜査局(FBI)によるクリントン氏の私用メール問題の捜査再開を受け、共和党トランプ候補の支持率が上昇し、懸念再燃により3日のアジア市場でドル・円は約1カ月ぶりの安値となる102円55銭まで値を下げた。しかし、クリントン氏の政策内容などへの評価がトランプ氏を上回る別の調査もあり、前日までの過度な警戒感は後退。今日のアジア市場では、ドル・円は102円83銭で下げ止まっている。

今晩の海外市場では、21時半発表の米国の10月雇用統計が注目され、非農業部門雇用者数が前月比+15万人以上であれば、FRBの12月利上げ観測が継続する見通し。ただ、市場には米大統領選が想定通りにクリントン氏勝利となっても、ドル買いは強まらないと観測が広がりつつある。「FBIの捜査は継続しており、影響は読み切れない」(ある市場筋)、「不人気の大統領の誕生で、今後の政策運営に不安が強まる」(外為ディーラー)などの声が聞かれ、そうしたセンチメントが雇用統計発表後の値動きに波及する可能性もある。


【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・10月サービス業PMI改定値(予想:53.5、速報値:53.5)
・19:00 ユーロ圏・9月生産者物価指数(前年比予想:-1.7%、8月:-2.1%)
・21:30 米・10月非農業部門雇用者数(予想:+17.3万人、9月:+15.6万人)
・21:30 米・10月失業率(予想:4.9%、9月:5.0%)
・21:30 米・10月平均時給(前年比予想:+2.6%、9月:+2.6%)
・21:30 米・9月貿易収支(予想:-380億ドル、8月:-407億ドル)
・21:30 カナダ・9月貿易収支(予想:-17.0億加ドル、8月:-19.4億加ドル)
・21:30 カナダ・10月失業率(予想:7.0%、9月:7.0%)
・21:30 ロックハート米アトランタ連銀総裁講演
・02:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演
・02:00 コンスタンシオECB副総裁講演
・05:00 フィッシャー米FRB副議長講演

《WA》

 提供:フィスコ

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