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【通貨】欧米為替見通し:ドル伸び悩み、日銀緩和への期待後退で買い続かず

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ期待は継続するものの、日銀の追加金融緩和の不透明感が意識されるためだ。また、ISM非製造業業況指数など経済指標の下振れにも警戒したい。

浜田宏一内閣官房参与は今日午前、通信社のインタビューで、今月20-21日の日銀金融政策決定会合と連邦公開市場委員会(FOMC)を念頭に置き「日銀はFOMC前の追加金融緩和は控えるべき」と述べた。浜田氏は金融緩和や為替介入により円安に理解を示す発言が多いことで知られるが、これまでとは方向性の異なる見解が今晩の欧米市場で波紋を広げそうだ。

合わせて、日銀の黒田東彦総裁が5日の講演で緩和的な姿勢が見られなかったことが蒸し返されれば、円買いフローを誘発する可能性もあろう。8月下旬から米金融当局者によるタカ派的な発言を背景とした早期利上げへの期待でドル買い地合いに変わりはないが、日銀の緩和政策の不透明感が広がればドルの上値を抑えるだろう。

一方、今晩は23時発表の8月労働市場情勢指数(LMCI)と8月ISM非製造業景況指数が注目される。7月のLMCIは今年に入って初めてプラスに転換したが、前週末に発表された低調な8月雇用統計を裏付ける内容となれば、雇用情勢の改善は進んでいないとの見方が強まりそうだ。また、ISM非製造業は55.0と予想されている。

足元のドル・円は103円80銭付近では利益確定売りが強まりやすいため、今晩のISM非製造業が予想を下回った場合、ドル売りのきっかけになるかもしれない。引き続き75日移動平均線(104円02銭)が上値抵抗線として意識されるだろう。


【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・4-6月期域内総生産確定値(前年比予想:+1.6%)
・18:30 南ア・4-6月期GDP(前期比年率予想:+2.6%、1-3月期:-1.2%)
・23:00 米・8月労働市場情勢指数(7月:1.0)
・23:00 米・8月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:55.0、7月:55.5)

《WA》

 提供:フィスコ

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