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【通貨】今日の為替市場ポイント:米9月利上げの思惑浮上でリスク回避の円買い縮小も

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

16日のドル・円相場は、東京市場では101円29銭から100円15銭まで下落。欧米市場でドルは一時99円54銭まで売られたが、100円53銭まで戻しており、100円31銭で取引を終えた。

本日17日のドル・円は、主に100円台で推移か。米9月利上げの思惑が再浮上しており、日本銀行による9月追加緩和の可能性は残されていることから、リスク回避的なドル売り・円買いは縮小する見込み。

16日の欧米市場でドルは99円54銭まで下落したが、ダドリーNY連銀総裁が「9月会合での利上げの可能性はある」との見方を示したことやアトランタ連銀のロックハート総裁が講演で、「年内、少なくとも1回の利上げが正当化される可能性がある」と述べたことが意識されたようだ。市場関係者の間では、ダドリーNY連銀総裁の発言内容は特にタカ派寄りではないとの見方が多い。9月利上げの可能性が高まっているとは言えないものの、経済指標が改善すれば、9月利上げの可能性が再び高まることは不自然ではないとみられている。

ただ、ダドリーNY連銀総裁はインフレについて「ヘッドラインインフレはじり高、最近数か月のコアインフレは横ばい、インフレ見通しはあまり変化ない」と指摘している。市場関係者の多くはインフレ加速の兆候がみられない場合、利上げを急ぐ必要はないと考えている。9月に利上げを実施してもインフレ率が鈍化した場合、利上げは妥当ではなかったとの見方が広がる可能性がある。

米国の非農業部門労働生産性が低下していることは軽視できず、雇用やインフレに関する経済指標がさらに改善しなければ、9月利上げ観測は再び後退し、ドルの上値はかなり重くなる可能性がある。

《WA》

 提供:フィスコ

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