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【通貨】欧米為替見通し:ドル買い継続か、日米金融政策への思惑で一段の上昇も

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は買いが続きそうだ。株高などを背景に、前週強まっていたリスク回避的な円買いが巻き戻されているためだ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げや日銀の追加金融緩和への思惑が広がれば、ドルは104円台回復が視野に入るかもしれない。

11日は、安倍晋三首相が打ち出す10兆円規模の経済対策に期待が高まったほか、8日に発表された6月米雇用統計が予想を大きく上回ったことによる株高を受け、ドル・円は100円台後半から102円台まで水準を切り上げた。英国のキャメロン首相の後継にメイ内相の就任が決まったことも、欧州連合(EU)離脱交渉の進捗にとって好影響と市場に安心感を与えた。これらの要因を背景に、足元では前週までのリスク回避的な円高を巻き戻す動きとなっている。目先もアジアや欧米の株高が続けばドル・円は堅調地合いとなるだろう。

今晩は、22時15分のタルーロ米FRB理事、22時35分のブラード米セントルイス連銀総裁による講演が材料視されそうだ。FRBによる利上げ期待は後退したままだが、両当局者から引き締め方針を継続する内容が聞かれれば、ドルを押し上げる見通し。一方、日銀は今月28-29日開催の金融政策決定会合で、安倍政権の経済対策の効果を高めるために追加緩和に踏み切るとの期待感も一部に出始めた。こうした日米の金融政策への思惑が広がれば一段のドル高・円安につながり、ドルは104円を目指す展開になると予想する。


【今日の欧米市場の予定】
・20:00 南ア・5月製造業生産(前月比予想:+0.4%、4月:+0.8%)
・22:15 タルーロ米FRB理事講演(シャドーバンキング関連)
・22:35 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(全米企業エコノミスト協会)
・23:00 米・5月卸売在庫(前月比予想:+0.2%、4月:+0.6%)
・23:00 米・5月JOLT求人件数(予想:565.0万件、4月:578.8万件)
・02:00 米財務省10年債入札(100億ドル、リオープン)
・06:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演(経済情勢とFRBの役割)


 提供:フィスコ

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