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2016年06月22日07時21分

【経済】NYの視点:イエレンFRB議長、景気・雇用に慎重ながら楽観的


米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は上院議会証言で、金融政策に慎重な姿勢が適切であり、利上げに際して慎重に進めていく方針を再表明した。また、利上げの条件として、労働市場が一段と強まることを挙げた。経済に関しては、「強弱まちまちの結果が見られる」との判断で、見通しでもさらなる成長を予想しているものの、不透明感が強いと指摘した。ただ、全般的には米国経済が「良好」で、最近の指標は4-6月期国内総生産(GDP)での成長が強まることを示唆しているとした。本年の米国経済が、一部で懸念されている景気後退(リセッション)に陥る確率も低いと見ている。インフレは依然2%を下回っているものの、目標に向けて上昇していると確信を示した。

米国の労働市場に関しては、「過去1、2ヶ月の雇用統計にはかなり失望した」と最近の雇用ペースの失速を認めた。また、労働市場の展開を注視することが重要で、雇用の増加が広範にわたるかどうか監視していくことが重要だと強調した。そのうえで、最新の雇用統計は1-3月期の成長の弱さを反映し「一時的な現象」と見ていることも明らかにした。経済が強まっていることから、今後の労働市場も再び強まると予想、期待している。求人数も過去最高水準まで増加しているにもかかわらず雇用が思ったように伸びない理由として、労働者と、求人の質にずれが見られると指摘。資格取得などの環境づくりを議員に提案した。

世界経済に関しては、脆弱さが残るもののいずれ成長ペースが加速すると見ている。中国経済にはまだ課題が山積みとの見解。英国の国民投票の結果がもたらす影響を綿密に監視する必要があるとし、万が一、英国がEU離脱を選択した場合、「著しい経済的波紋を巻き起こす可能性がある」と慎重な姿勢を示した。さらに、英国の国民投票の結果で、必要とあれば、「行動をとる用意がある」とした。ただ、英国のEU離脱の影響で米国経済が景気後退(リセッション)に陥る可能性は少ないとの見解を示した。

証言において、イエレンFRB議長が雇用や米国経済に関して慎重ながら依然楽観的な見通しを維持していることが明らかになった。このため期近の利上げ確率も小幅ながら上昇。米金利先物市場での7月利上げ確率は8%前後から10%へ上昇した。ドルも持ち直した。


■イエレンFRB議長の上院議会証言でのポイント

◎経済
「経済においてまちまちの結果が見られる」
「指標はQ2GDPでの成長ペースが加速することを示唆している」
「米国経済は良好」
「世界経済の脆弱さは残る」
「世界経済はいずれ成長加速する」
「中国経済は依然、多くの課題に直面している」
「成長の改善を予想しているが、見通しは不透明」
「ドル高は他国に比べ強い米国経済の回復を反映」
「米国経済が本年リセッションに陥る確率は低い」

◎インフレ
「インフレは依然2%目標を下回る」
「インフレが目標の2%に向けて上昇していると確信」

◎雇用
「最新の雇用統計は1?3月期の成長の弱さを反映」
「過去1、2ヶ月の雇用統計にはかなり失望」
「労働市場の展開を注視することが重要」
「経済も強まっていることから、労働市場も強まると期待」
「労働市場の進展は最近まで持続」
「労働市場の増加が広範にわたるかどうか監視することが重要」
「かなり多くの求人がある」
「労働者と求人の質でずれがある」
「1,2回の雇用統計に過剰に反応すべきではない」
「労働市場の改善ペースは鈍化した」
「最近の雇用の弱さは一時的」
「LMCIは良好」

◎BREXIT
「著しい経済的波紋を巻き起こす可能性」
「FRBは英国の国民投票の結果による経済を綿密に監視」
「英国の国民投票の結果で、必要とあれば、行動をとる用意」
「英国のEU離脱の影響で米国経済が景気後退(リセッション)に陥る可能性は少ない」
「英国のEU離脱は不確実性を招き、金融市場の変動が米国に影響する可能性もある、国民投票の結果は我々が注視していくもののひとつ」

《NO》

 提供:フィスコ

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