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【経済】中国:MSCIがA株の指数採用見送り、市場アクセスになお課題


株価指数を算出するMSCIは日本時間15日、中国本土マーケットに上場するA株について、新興国株指数への採用を見送ると発表した。採用見送りは3年連続。海外からの市場へのアクセスをめぐり、ここ数カ月で大きな改善が見られたものの、なお課題が残ると指摘した。適格海外機関投資家(QFII)制度や資本流動規制、売買停止制度の見直しに対し、その有効性を評価するための時間が必要と説明している。
またQFII制度について、対外払い戻しの月額上限が「前年末の国内総資産の20%」に設定されるなど、依然として規制が存在することに言及。さらに、新たな金融商品を投入する際に制限が設けられている点などを今後の課題として挙げた。
ただ、市場へのアクセス問題で2017年6月までに積極的な進展があった場合、臨時に組み入れを発表する可能性を排除しない??として、今後の採用に含みを持たせた。
MSCIは毎年6月、新興国株指数の組み入れ国を見直している。MSCI指数への採用が決まれば、インデックスファンドなどによる新たな買い需要が生まれ、A株市場に一段の資金が流入するとの期待が高まっていた。なお現時点で新興国株指数に採用されている中国株は、香港上場の本土系銘柄(H株、レッドチップなど)に限られている。
もっとも、今回の採用の成否をめぐっては、一部で「空振り」を予想する声も上がっていた。香港メディアの明報は今月7日、MSCIが見直し結果の発表に際し、通常の記者会見を行わず、電話会見のみ実施する予定??と報道。採用見送りの可能性を指摘していた。その根拠として、昨年6月の結果発表時に、当初香港での記者会見が予定されていたが、結局会見はキャンセルされ、電話会見に切り替えられた経緯を指摘。MSCIはこの年、新興国株指数へのA株組み入れを見送っている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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