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2016年06月08日16時51分

【特集】ユニリタ Research Memo(4):売上高は期初予想を下回ったが、16/3期は増収増益で着地

ユニリタ <日足> 「株探」多機能チャートより

■決算動向

(1) 2016年3月期決算の概要

ユニリタ<3800>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比1.0%増の7,198百万円、営業利益が同5.5%増の1,531百万円、経常利益が同4.6%増の1,635百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同42.2%増の1,442百万円と増収増益であったものの、売上高は期初予想を下回る着地となった(利益は期初予想を上回った)。なお、当期純利益の伸び率が大きいのは、ビーコンITの吸収合併に伴う繰越欠損金の引継ぎにより税金費用が減少したことによるものである。

売上高は、「システム運用事業」や子会社による「その他事業」が拡大したものの、主力の「メインフレーム事業」及び「データ活用事業」が減少したことにより微増収にとどまった。「メインフレーム事業」の縮小は想定の範囲内であったが、新営業体制の運用において計画どおりの成果が出せなかったことや「データ活用事業」及び「システム運用事業」の両事業に属する「新規・成長事業分野」の立ち上がりの遅れが売上高の未達要因となった。

損益面では、利益率の高いメインフレーム事業の縮小などにより売上総利益率が低下したことに加え、成長に向けた研究開発費の高止まりや人材シフトに伴う先行費用等が負担となったものの、増収によって吸収するとともに、ビーコンITとのコストシナジーの発現(オフィスの統合等)、「データ活用事業」及び「システム運用事業」の損益改善等により計画を上回る増益となり、営業利益率も21.3%(前期は20.4%)に改善した。

財務面では、総資産が現預金の増加等により前期末比4.0%増となった一方、自己資本はビーコンITの吸収合併や内部留保の積み上げにより前期末比26.8ポイント増と大きく拡大したことから自己資本比率は80.1%(前期末は65.8%)と高いレベルでさらに上昇した。

事業別の業績は以下のとおりである。

「データ活用事業」は、売上高が前期比3.7%減の2,254百万円、セグメント利益が同603.6%増の104百万円と減収ながら大幅な増益となった。クラウド活用やデータ活用ニーズに合致した自社製品の販売に注力し、製品群の戦略的な入れ替えを行ったことが減収を招いたが、採算性は高まった。ただ、セキュリティ対策、ビッグデータ活用、クラウド活用などの新規・成長事業分野については、人材シフトなどを進めたものの、立ち上がりの遅れにより本格的な業績貢献には至らなかった。

「システム運用事業」は、売上高が前期比14.8%増の2,232百万円、セグメント損失が283百万円(前期は451百万円の損失)と増収及び損失幅の縮小となった。主力の運用自動化分野における既存顧客からのリピート受注や帳票分野におけるマイナンバー対応案件、顧客のダウンサイジングニーズに対応するソリューション提案などにより製品販売が大きく伸びた。ただ、運用代行の新たなストックビジネスの構築を目指しているアウトソーシング(技術支援)は、既存顧客からの常駐形態でのリピートオーダーを複数受注したものの、新しい事業モデルを確立するには至らなかった。一方、損益面では、収益性の高い製品販売が伸びたことから大幅な損益改善となった。

「メインフレーム事業」は、売上高が前期比8.5%減の2,123百万円、セグメント利益が同10.2%減の1,626百万円と減収減益となった。オープン化やダウンサイジング化の潮流を受けて縮小したものの、売上高、利益ともに想定の範囲内である。

「その他事業」は、売上高が前期比13.5%増の588百万円、セグメント利益が同7.1%増の84百万円と増収増益となった。需要が拡大している人材派遣市場向け製品の機能強化やWeb広告の新手法の活用のほか、BCP(事業継続対策)における新サービスの販売開始など、各子会社における事業拡大が業績の伸びをけん引している。また、新たに開始したバス関連事業(IoT技術を活用したバス事業活性化支援サービス)についても、本格的な業績貢献はこれからであるものの、路線検索、運用位置情報検索に加え、観光用アプリの提供へとソリューションのラインナップを進め、北海道地域のバス事業者からの受注に結び付いた。

なお、前述のとおり、「データ活用事業」及び「システム運用事業」の両事業に属する新規・成長事業分野においては、前期比33.7%増の758百万円と伸長したが、そのうち「モバイル」「ビッグデータアナリティクス」「クラウド」「セキュリティ」領域においては、潜在需要は大きいものの、導入決定までのリードタイムが想定以上に長くかかっていることから業績貢献には至らず売上高の未達要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《YF》

 提供:フィスコ

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