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【経済】中国:ファストファッション各社の業績低迷、若い世代は「個性重視」


ここ10年の間に中国市場で急成長したGAPやH&Mといったファストファッション各社の業績が落ち込んでいる。新商品を次々に投入して店舗数も急拡大した結果、消費者に飽きられ、若い世代がより個性的なファッションを求めるようになったことなどが原因とみられている。中国経済週刊が7日付で伝えた。
中国では2006年以降、ZARAやH&M、GAPなどが続々と店舗を増やし、それまでデパートなどが主導していた小売市場に大きな変化をもたらした。当時の若者にとっては「オシャレなのに安い」ブランドが新鮮に映り、新商品を次々と発売するスタイルも消費者の心をつかんだ。
しかし各社が中国市場で急速に事業を拡大した結果、消費者に飽きられ、最近は販売が落ち込んでいる。中国で中産階級と呼ばれる人々が増え、質の良い製品を買うために海外に旅行することが珍しくなくなったことも一因とされる。
また、「90後(90年代生まれ)」以降の若者が「似たり寄ったり」なファストファッションに新鮮味を感じなくなり、むしろ、上の世代が知らないような個性的なブランド、若手デザイナーのブランドに魅力を感じるようになったことも、ファストファッションの凋落につながっているという。
米大手のGAPグループは先ごろ、2016年2~4月期の売上高が世界全体で前年同期比6%減の34億3800万米ドル(約3780億円)に落ち込んだと発表。業績の悪化を受け、北米以外で展開している「OLD NAVY」と「Banana Republic」の75店舗を閉鎖する方針を明らかにしている。また、スウェーデンのH&Mも16年第1四半期の純利益が前年同期比で29.6%減少したことを発表した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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