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【経済】(中国)ニチイ学館が高齢者介護事業を始動、「習慣の違い」で普及困難も

ニチイ学館 <日足> 「株探」多機能チャートより

医療・介護・教育関連企業のニチイ学館<9792>は今年4月末、傘下の日医(北京)商貿有限公司を通じて中国で高齢者介護事業を開始した。高齢者の自宅に短時間、介護スタッフを派遣する形の事業で、スタッフの育成も進める。ただ、中国の業界関係者からは「中国と日本では習慣が違うため、こうした形の事業を普及させることは困難なのでは」との声も聞かれる。北京商報が6日付で伝えた。
日医(北京)商貿では、90分ごとに170人民元(約2800円)程度の料金を徴収する形で高齢者の入浴などを介助するスタッフを派遣する。日本のケアマネージャーと同等の知識を持つスタッフが、ケアプランを作成するという。中国ではまだ介護人材が不足していることから、人材育成も進め、育成コースの参加者は働きながら7000人民元余りの講習代を支払うことになる。
ただ、日本の介護関係者が「プロ」であるのに対して、中国では社会的地位が低く、講習代を支払ってまで介護職に就きたいと考える人は多くない可能性がある。月収の相場も、経験が浅い人では3500人民元程度と低い。さらに、中国で高齢者介護は高齢者の自宅に住み込んで行うことが一般的であるなど、習慣の違いは大きい。そのため、関係者からは「こうした形の事業を普及させることは困難なのでは」といった声も上がっているという。
中国では高齢者の数がすでに2億人を超え、さらに毎年860万人ずつ増えている。介護人材は1200万人以上足りない状況とされる。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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