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【経済】中国の電動二輪車生産シェアは世界8割、15年輸出198.4万台に拡大


中国で電動二輪車(電動スクーター、電動自転車)の需要が拡大を続け、世界最大の市場が形成されている。2015年末時点で、中国の電動二輪車の保有台数、販売台数はともに、世界の8割強を占める規模に達した。国民所得の増加や環境規制の強化などを背景に、今後も市場の成長が続く見通し。市場調査会社のフロスト&サリバンによると、20年の中国販売額は1247億人民元(約2兆円)に達し、15年の822億人民元から約1.5倍に膨らむ見込みという。この間の平均成長率は年率8.70%を記録し、10~15年の7.14%からさらに加速する計算だ。
買い換え需要も大きい。フロスト&サリバンによれば、販売台数の約半分が同需要によるもの。中国での販売台数は15年に3398万台に達しており、20年には約3割増の4398万台まで拡大する見通しだ。この間の平均成長率は5.29%と、10~15年の5.62%とほぼ同水準で推移するという。
中国からの輸出も拡大している。15年に中国から輸出された電動二輪車は、前年比78.4%増の198万4000台に急増した。5年前との比較では3倍強に膨らみ、平均成長率は年率27.5%に達している。各メーカーの生産能力が拡大し、技術力も向上するなか、中国製品のシェアが拡大しているという。なお、中国の輸出台数が世界の販売台数に占める割合は、15年の実績で5.1%という水準だった。
また、市場の拡大とともに業界再編も進み、ここ数年で中小メーカーの淘汰が進んだ。10年の時点では国内に2500余りのブランドが乱立していたが、15年末には一定規模(売上高200万人民元以上)のメーカー250社という構図に変化。うち上位5社で国内シェアの約4割(売上高ベース)を握る状況だ。電動二輪車市場のシェア上位5社はそれぞれ、雅廸の10.50%、愛瑪の8.75%、緑源の4.95%、新日の4.76%、台鈴の4.33%となっている。これら5社の電動二輪車の生産能力は、それぞれ15年の時点で500万台、590万台、190万台、350万台、200万台だった。

※雅廸集団HD(1585/HK)の上場目論見書より抜粋した。民営企業の同社は江蘇省無錫市を拠点に、電動二輪車の製造・販売を手がける。国内シェアは10.5%で首位(15年、売上高ベース)。うち電動スクーターで11.2%(首位)、電動自転車で9.2%(2位)を握る。ほかに、電動二輪車用のバッテリーや充電器も扱う。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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