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【特集】【中国の視点】上海は深センの二の舞か、住宅価格急騰に不安が広がる


国家統計局が発表した2月の住宅価格統計によると、上海市の住宅価格は前月比で5.3%上昇し、統計対象となる70都市のうち、2位の上昇率を記録した。また、上昇ペースは北京市や広州市、深セン市を大幅に上回った。

業界エコノミストは、このペースでは、上海市の住宅価格がすぐにも香港を追い越すと警告した。また、住宅価格の変動を研究する上海易居房地産研究院はこのほど、値上がり前に住宅を購入しないと買えなくなるとの非理性的な考え方は住宅価格を押し上げている一因だと分析している。

一方、上海市の住宅価格の高騰について、実需的な買いではなく、違法な市場操作や投機的な買いが主因だとの見方は浮上している。上海市の常住人口が約40年ぶりに減少しており、実需的な買いは急速に増加することは説明がつかないと指摘されている。

また、中間層とは対照的に、富裕層による1000万元(約1億8000万円)以上の高級住宅の売却が加速していると報告されている。1000万元以上の住宅は中間層が負担できない価格帯であるため、住宅急騰する時期に売却しやすい傾向があるためだ。

専門家は、中国政府による住宅ローン規制の緩和の実施に伴い、大口資金がこれを利用して住宅価格を吊り上げているとみており、住宅価格が急落した場合、中間層がもっとも被害を受けると警告した。上海市の前に住宅価格が急騰した深セン市の成約件数が最近急速に縮小しており、上海市が深セン市の二の舞になる恐れがあると警鐘を鳴らしている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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