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【通貨】為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米追加利上げ観測後退で110円割れの可能性も


■米金利見通し引き下げてドルは一時110円67銭まで下落

先週のドル・円は弱含み。15-16日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り金融政策の据え置きが決定されたが、2016年の金利見通しを引き下げたことから、リスク回避的なドル売りが広がった。
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見で「世界経済の見通しの悪化は我々の見通しに影響している」と慎重な見解を表明した。また、金利見通しについては、FOMCのメンバーの過半数は2016年末時点の政策金利は0.75%-1.00%と予想し、利上げは2回にとどまると想定した。
昨年末時点では年4回の利上げが想定されていたが、金利見通しが下方修正されたことでドル売りが活発となり、17日の欧米市場でドル・円は2014年10月末以来の円高水準となる1ドル=110円67銭まで下落した。
しかしながら、急速な円高に対する警戒感が広がったことや原油先物、米国株の上昇を意識してリスク回避的なドル売りは一服。18日のNY市場でドルは111円76銭まで反発し、111円54銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:110円67銭-114円14銭。

■ドルは伸び悩みか、米追加利上げ観測後退で110円割れの可能性も

今週のドル・円は伸び悩みか。15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果を受けて、利上げペースは年2回となる公算が大きくなった。追加利上げが実施されるのは6月になると予想されており、その後の金利見通しは必ずしも定かではないことから、リスク回避的なドル売りはしばらく続く可能性がある。市場関係者の間では、1ドル=110円が重要な節目になるとの見方が多く、この水準付近での攻防が注目される。

何らかの要因でドルが110円を一時的に下回る可能性は否定できないが、株高・原油高が続いた場合、リスク選好的な円売りが増える可能性があることから、大幅なドル安・円高は回避される見通し。円高が進行した場合、日本銀行による早期追加緩和への期待が高まる可能性があることも急速な円高を阻む一因となる。

【日・2月全国消費者物価コア指数(CPI)】(25日発表予定)
1月実績は前年比0.0%、2月は同比+0.1%と予想されている。コアCPIが上昇しない場合、日銀による追加金融緩和への期待がやや高まり、円売り材料となる可能性がある。

【米・10-12月期実質国内総生産(GDP)確定値)】(25日発表予定)
前期比年率+1.0%が見込まれている。ただ、米追加利上げ観測はかなり後退しており、確定値が市場コンセンサスと一致した場合はドル買い材料にはならないとの見方が多い。市場予想を下回った場合は追加利上げ観測の後退につながり、ドル売り要因となろう。

予想レンジ:109円00銭-114円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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