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【特集】GMOリサーチ Research Memo(8):16/12期の売上高は過去最高を更新、利益は2ケタ増益の見通し


■業績動向

(4) 2016年12月会社計画の概要と見通し

GMOリサーチ<3695>の2016年12月期連結業績は、売上高3,156百万円(前期比16.8%増)、営業利益220百万円(同36.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は124百万円(同56.1%増)を予想している。売上高は2ケタの伸びを見込んでおり、過去最高を更新すると見ているほか、利益も投資一巡と前期までの投資の効果顕在化で2ケタの増益になると予想している。

売上高に関しては、アウトソーシングサービスとD.I.Yサービスが伸びることで、継続して15%以上の成長を維持すると予想している。一方、営業増益に転じるのは、売上高の増加に伴う利益増加に加えて、2015年12月期までの投資が一巡することで、販管費の伸びが小幅にとどまると見ていることによる。

サービス別、地域別の前提を具体的に見ると、アウトソーシングサービスは2,506百万円(前期比21.0%増)、D.I.Yサービスは430百万円(同17.8%増)とそれぞれ拡大する計画となっている。一方、地域別では、日本2,367百万円(前期比11.8%増、売上ウエイト75.0%)、海外789百万円(同34.9%、売上ウエイト25.0%。前期は21.6%)と見ており、2015年12月期と同様に海外が拡大すると予想している。

同社は、2016年12月期の重点施策として、1)国内ネットリサーチ事業では前期に引き続き顧客内シェア拡大のためのD.I.Y売上拡大(固定客化)を図る、2)海外ネットリサーチ事業においても、国内と同様に欧米において顧客内シェア拡大のためのD.I.Y売上拡大(固定客化)を図る、3)パネル供給変革としては、国内ではアドテクプラットフォームとの連携強化(具体的には、CPATとアドテクのプラットフォームと連携することで広告業界向けにサービスを提供)によるパネル供給変革の更なる推進とアジアへの展開準備、及び「Asia Cloud Panel」内のポイント発行額の拡大を図る、??の3点を掲げている。

同社の言う「パネル供給変革」とは、同社のリサーチパネルである「Asia Cloud Panel」により多くの自社会員を持つ企業が参加することになれば、「Asia Cloud Panel」自体のパネル価値が上昇、さらにより多くの会員を持つ企業が参加する呼び水になり、パネルが強化されるという好循環となることを目指している。自社会員を保有する企業が参加意欲を高めるパネル供給変革の指標として、「Asia Cloud Panel」内でのポイント発行額を位置付け、2015年12月期実績7.2億円を拡大する戦略となっている。なお、ポイント発行額の成長率は20%/年を目標としている。

弊社では、前期に下方修正を行ったこと、2015年12月期第4四半期(10月?12月)にアジア地域で大型調査案件の納品後ずれが発生したことなどと、会社前提と合わせて考慮すると、会社計画は保守的で、上振れ余地があると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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