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2016年03月17日16時04分

【特集】ワールドHD Research Memo(3):15/12期は過去最高業績を連続で更新


■決算動向

(1) 2015年12月期連結業績について

2月3日付で発表されたワールドホールディングス<2429>の2015年12月期の連結業績は、人材・教育ビジネス及び不動産ビジネスが好調に推移し、売上高で前期比27.8%増の87,984百万円、営業利益で同37.1%増の5,137百万円、経常利益で同37.9%増の5,133百万円、当期純利益で同91.3%増の3,810百万円といずれも期初計画を上回り、過去最高業績を連続で更新した。売上高は6期連続増収、利益は5期連続の増益となっている。なお、当期純利益の増益率が大きくなっているが、これは、特別利益として消費税等簡易課税差額収入995百万円を計上したことが要因となっている。事業セグメント別の動向は以下のとおり。

(2)事業セグメント別動向

○ファクトリー事業
ファクトリー事業の売上高は前期比7.9%増の26,910百万円、セグメント利益は同6.1%減の1,801百万円となった。大型案件の解約などがあったことから期初計画を下回ったものの、おおむね順調に推移したと言える。業種別売上高について見ると、電気・電子分野や半導体向けはスマートフォン関連やカーエレクトロニクス関連の好調を受け、それぞれ前期比で14.7%増、38.5%増と好調に推移した。また、物流分野向けもEC市場の拡大を背景に、同31.9%増と高成長が続いている。一方、機械分野は前期に寄与した大型案件がなくなったこともあり、同11.5%減となった。

増収にもかかわらず減益となったのは、人材採用強化のため同社独自サイト「JOB PAPER」の機能向上を図ったことや、請負現場の増加に伴い現場管理社員の増員を図ったこと(前期比50名増)、及び教育研修費用が増加したことなどが要因となっている。ただ、セグメント利益率は6.7%と製造派遣・請負分野で業界トップクラスの収益性を維持していることに変わりはない。なお、「JOB PAPER」登録者数は前期末の1.3万人から当期末は2.4万へ拡大し、採用数の拡大に貢献している。

○テクノ事業
テクノ事業の売上高は前期比13.3%増の9,547百万円、セグメント利益は同41.5%増の989百万円と2ケタ増収増益となり、期初計画も上回った。業種別売上高動向を見ると、主力の半導体向けが前期比29.5%増と好調に推移したほか、情報通信サービス向けもソフト受託開発の需要増により同8.3%増となった。その他、建設向けや自動車向けなどでも昨今の人材不足を背景に売上高を伸ばした。特に、半導体向けでは設計開発エンジニアだけでなく、ファクトリー事業との連携による受注活動を強化したことで、工場での生産技術エンジニアの派遣が大きく伸びた。また、セグメント利益率は、旺盛な需要を背景とした受注単価の上昇によって前期の8.3%から10.4%へ上昇した。

○R&D事業
R&D事業の売上高は前期比17.0%増の4,755百万円、セグメント利益は同224.0%増の518百万円となった。化学系企業の受注が旺盛だったほか、当期より新規参入した医薬品の安全性情報管理部門も順調な立ち上がりを見せ増収に貢献した。また、臨床試験受託サービスを行っているDOTインターナショナル(株)では、前期から人員体制の強化に取り組んできたことで、大規模な企業治験と臨床研究案件の新規受注を獲得でき、売上高、利益ともに拡大するなど同事業の収益拡大に大きく貢献した。

○セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の売上高は前期比48.2%増の3,972百万円、セグメント利益は同199.8%増の218百万円と順調に拡大した。CB部門(小売店舗への販売員派遣)では、顧客先を従来のラグジュアリーブランドショップに加えて量販店や百貨店などへ広げたこと、またフロア単位での請負案件などが増加したことで、売上高が前期比19.5%増収となったほか利益も大きく改善した。

また、2013年より業務を立ち上げたOCS部門(コールセンター等のオペレーター派遣)では、ファクトリー事業の物流分野との連携強化により軽作業系の在籍が大きく伸びたほか、マイナンバー関連の大型案件を獲得したことで売上高は前期比141.0%増と大幅増収となり、利益面でも増収効果により黒字化を達成した。

○不動産事業
不動産事業の売上高は前期比104.5%増の31,785百万円、セグメント利益は同63.8%増の3,061百万円と大幅増収増益となり、期初計画に対してもいずれも上回る格好となった。売上高の内訳を見ると、自社開発物件は「レジデンシャル中野新井薬師」(東京)「レジデンシャル豊中曽根」(大阪)「レジデンシャル青山駅前」(岩手)のほか、共同事業である「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」(神奈川)「あすと長町公営住宅」(宮城)など新築分譲マンション339戸の引渡しを行ったほか、新築マンション以外の不動産販売も寄与し、前期比56.4%増の23,499百万円と期初計画を大きく上回った。

また、2014年12月より連結に加わったリノベーション事業は、売上高が6,016百万円(前期は5億円強)と順調に拡大したほか、2015年9月より加わったユニットハウス並びにレンタル事業も645百万円の売上を計上した。なお、四半期ベースで同事業の業績を見ると、第1、2四半期の売上及び利益が集中しているが、これは新築分譲マンションの販売が同期間に集中したことが要因となっている。

○情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比16.5%減の10,522百万円、セグメント利益は同97.2%減の4百万円となり、期初計画に対しても下回る格好となった。携帯電話の普及が一巡し、販売台数が減少するなかで、携帯ショップ事業では不採算店舗の圧縮と優良店舗づくりの構築に注力し、費用が先行する格好となった。携帯ショップ数は、104拠点(直営店34店舗、代理店70店舗)でスクラップはほぼ完了し、次期以降はM&Aも含めた拡大戦略に転じる。

なお、同社では当期より中古携帯の買取・販売や格安SIMの販売、スマートフォンの操作方法などをレクチャーするオリジナルショップ「ケータイの窓口」の出店も行っており、新たなニーズの掘り起しにも取り組んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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