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【経済】日産が「グローバル戦略」加速、中国製部品買付は10年で14倍


「グローバル戦略」を掲げるルノー・日産アライアンスは近年、中国での部品買付規模を拡大させている。海外生産拠点への自動車部品輸出を手掛ける日産(中国)投資有限公司では、2015年の部品輸出量が2万3800コンテナに拡大。部品輸出事業部を立ち上げた06年(1737コンテナ)当時の約14倍水準に増えた。中国での部品サプライヤー数(合弁、外資独資、中国系を含む)も、06年の50社から足元で400社(8倍)に増加。うち中国本土サプライヤーを2→52社に増やしている。毎日経済新聞が17日付で伝えた。
拠点の日本を除けば、中国市場はルノー・日産にとって世界最大の国際物流拠点へと成長した格好だ。日産(中国)の部品輸出拠点は現在、上海と広州の2カ所。輸出先は当初の8カ国・地域から17カ国・地域に拡大した。
中国税関の統計によれば、中国の自動車関連輸出企業で、日産(中国)の輸出実績は14年の年間で首位。15年上半期では2位の規模にある。
中国製部品について日産(中国)の西林隆・総経理は、「優良サプライヤーが相次ぎ誕生する中で、品質は絶えず向上している」と評価。今年はさらに契約サプライヤー数を増やす考えを明らかにした。
競争激化を背景に完成車相場が徐々に下がる中で、グローバルな部品調達システムを構築することは、コストカットを迫られる完成車メーカーにとっての課題だ。ルノー・日産アライアンスでは、車両設計の基礎となるプラットフォームにモジュールコンセプトを持ち込んだ「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」を導入。完成車1台当たりの部品コストを20~30%引き下げ、完成車コストを最大40%低減させる方針を掲げている。
この戦略の下、アライアンス内の部品共通化・モジュール化を推進。共用部品のグローバル調達を進めている。将来的には共用部品の比率を一段と引き上げる方針だ。
統計によると、中国の自動車関連製品輸出額に占める部品の比率は、15年に77.35%まで上昇。前年比で0.71ポイント拡大した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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