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【特集】きちり Research Memo(7):「いしがまやハンバーグ」は今後全国への出店も視野に入れている


■今後の見通し

(2)中期計画の概要

きちり<3082>は2013年8月に発表した中期5ヶ年計画では、最終年度となる2018年6月期に売上高10,000百万円、営業利益1,500百万円、経常利益1,600百万円、当期純利益1,000百万円を目標として掲げている。

直営店に関しては前期末の77店舗から100店舗に拡大を目指しているが、今期12店舗の出店が計画どおりに進めば上回る可能性が高い。このうち「KICHIRI」業態に関しては、主に首都圏の主要沿線で乗降客の多い駅から優先的に出店し、ブランディングを確立しながら中小規模の駅前へ出店を進めていく戦略だ。また、「KICHIRI」以外のレストラン業態については、ショッピングモールでの出店を進めていく。「いしがまやハンバーグ」「3Little Eggs」などは、競合店と比較して客単価がやや高めの設定となっているが、美味しさやサービス面で顧客からの支持を集め、ブランド価値を高めることに成功している。このため、ショッピングモールからの出店依頼も多くあり、店舗数を増やしていくことは比較的容易とみられる。ショッピングモールに出店することのメリットは、開店当初から一定の集客が見込めるため、収益化を早期に実現できることにある。

特に「いしがまやハンバーグ」については人気が高く、収益性並びに投資回収期間において主力の「KICHIRI」よりも高いパフォーマンスを上げていることから、今後全国への出店も視野に入れている。出店余地としては将来的に200店舗まで拡大できると同社では見ている。

一方、PFS事業に関してはクラウドサービスの契約店舗数で2,000店舗まで拡大し、営業利益で600百万円を目標としている。契約店舗数が拡大していけば、食材の仕入れにおいてスケールメリットを生かしたコスト削減効果も期待できることになり、間接的に直営店舗の収益性向上にも寄与することとなる。

その他、中長期的には海外市場への展開も視野に入れている。2015年3月に米国で日本食業態の展開を目的に子会社を設立しており、現在は単独展開やJV展開など含めて複数の案件の検討を進めている段階にある。また、世界的に日本食がブームとなるなかで、アジア市場への展開の可能性も今後出てくる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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