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【通貨】欧米為替見通し:ドル弱含み、週明け以降もリスクオフで111円付近を意識


来週の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開となりそうだ。欧州中銀(ECB)総裁による一段の緩和に否定的な発言を受けたリスクオフのユーロ買戻しは週明け以降もドルの下落要因になりやすい。来週開催の日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)はいずれも現行の金融政策維持の公算でドルを下支えできないため、2月安値の111円付近が意識される展開を予想する。

ECBは10日の理事会で、資産買い入れ額の大幅拡大や主要政策金利のリファイナンス金利の引き下げなど市場コンセンサスを上回る緩和策を発表した。しかし、ドラギ総裁はその後の記者会見で「(ECBの緩和措置が)成長やインフレへの効果を考慮すると、一段の金利引き下げが必要になるとは思わない」と述べ、今後一段の追加利下げの可能性は低いとの考えを示した。ユーロ・ドルはECBの緩和措置を好感して下落したが、総裁発言で急反発した。市場の予想を下回る緩和策で失望を誘った昨年12月と同様、リスクオフのユーロ買いはしばらく続きそうだ。

来週は14?15日の日銀金融政策決定会合と15?16日のFOMCが重要イベントとして注目されるなか、いずれも現行の金融政策を維持するとの見方が多く、リスクオフの継続でユーロ・ドルは2月高値の1.1376ドルを上抜ける展開を想定しておきたい。この影響でドル・円は下落が見込まれ、2月11日に付けた110円98銭や同25日の111円04銭など直近の安値水準が意識されるかもしれない。一方、FOMC声明やイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言で6月利上げ観測が高まれば、ドル売りを弱める可能性もあろう。

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・1月貿易収支(予想:-103億ポンド、12月:-99.17億ポンド)
・22:30 米・2月輸入物価指数(前月比予想:-0.7%、1月:-1.1%)
・22:30 カナダ・2月失業率(予想:7.2%、1月:7.2%)

《SY》

 提供:フィスコ

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