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2016年03月11日16時11分

【特集】タマホーム Research Memo(7):2018年5月期に売上高2,000億円超を目指す


■今後の見通し

(2)中期経営計画

タマホーム<1419>は2015年1月に新中期経営計画「タマステップ2018」を発表している。今回の中期経営計画ではここ数年伸び悩んでいる業績を、再び成長軌道に乗せるための基盤構築の期間と位置付けている。

中期計画の基本方針として、「“面”の展開から、“層”の拡大による成長へ」を打ち出している。“面”の展開とは営業エリアの拡大による成長を指し、同社が従来推進してきた営業戦略だが、今後は“層”の拡大、すなわち多様な商品・サービスを展開しながら顧客層の拡大を図っていくことで成長を目指していく戦略となる。

経営目標値としては、2018年5月期に売上高で2,000億円超、営業利益率3.5%、ROE15%を掲げている。事業別の取り組みは以下のとおり。

○住宅事業
住宅事業では2018年5月期に売上高166,100百万円、営業利益6,800百万円を計画している。注文住宅では、環境性能や快適性などを高めた商品へのグレードアップを図りながら、低価格良質住宅である大安心の家シリーズを中心に受注を拡大し、2018年5月期に9,500戸の販売を目指している。

層の拡大戦略として、中高価格帯となるハイラインの商品(上質な住宅)、低価格帯となるベーシックラインの商品(企画住宅)への展開を進めていく。既にベーシックラインについては2015年10月より試験販売を開始しており、滑り出しは順調に推移していると言える。また、ハイラインについても2016年春に全額出資の子会社、「(株)日本の森と家」を設立し、今夏以降に本格的に営業を開始する予定となっている。環境を意識したコンセプトで、木材はほぼ全量国産材を使用し、使用量も従来の商品より多くした高級感のある家づくりとなる。価格は130平方メートルの標準的な建物で3,000~4,000万円(土地代除く)と従来商品の約2倍の水準となる。

販売については首都圏など大都市圏では自社で展開するほか、地方では地元の工務店とFC契約を締結し、建築ノウハウや資材を提供しながら事業を拡大していく戦略だ。販売対象としては、環境意識の高い顧客層を狙っている。このため販売プロモーションも、環境関連の雑誌やインターネットを通じた広告を中心に行っていく予定だ。同社では5年以内に年間500戸の販売と50億円の売上高を目標としている。

○不動産事業
不動産事業では2018年5月期に売上高30,700百万円、営業利益2,100百万円を計画している。非土地保有者の比率が高い首都圏など大都市圏で、戸建分譲を強化していく方針で、戸建分譲の販売棟数は2015年5月期の131戸から2018年5月期には650戸と約5倍の規模に拡大していく計画だ。

また、集客のための総合窓口(総合住宅産業のための集客基盤・ポータル)の機能を担う事業として、不動産仲介事業を2015年8月よりタマホーム不動産で開始している。新宿に店舗を開設し、自社物件だけでなく他社物件や賃貸物件、土地など様々な不動産を扱うことで集客力の強化と認知度の向上を図り、自社の注文住宅や戸建分譲の販売増につなげていく戦略だ。

○その他事業
その他事業に関しては、2018年5月期に売上高で3,500百万円、営業損失で2,000百万円を想定している。海外事業や国内のホテル事業など今後の事業展開が流動的なこともあり、保守的な計画となっている。

海外事業ではハワイでの不動産開発が注目される。現在、米国企業と共同で手掛けている高層コンドミニアム(39階建て)の開発事業は、総投資額14,000百万円、売上総利益6,000百万円(開発プロジェクトの出資比率は5割強)を当初見込んでいたが、前述した通り建設計画を見直しており、事業規模がもう少し大きくなる可能性がある。立地場所がアラモアナ・センター付近のシーサイドにあり、土地の価格が購入時から約2倍に上昇するなど人気エリアでもあることから、コンドミニアムの販売も好調が予想される。プロジェクトが順調に進めば2018年以降に販売が開始され、同社の収益にも貢献する見通しだ。

一方、国内でのホテル事業については、同社が保有する自社不動産の有効活用もかねて展開していく意向で、まだ具体的には決まっていないものの、博多や大阪などの自社所有地が候補として挙げられている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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