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【通貨】為替週間見通し:ドル・円は底堅い展開か、米FOMCを控えて調整的なドル買い増加も


■米早期利上げ観測の後退でドルは伸び悩む

先週のドル・円は伸び悩み。2月29日発表の米経済指標は予想を下回ったことでドルは3月1日のアジア市場で112円台前半まで下落した。2日に発表された2月ADP全米雇用報告は、市場予想を上回ったことでドルは一時114円56銭まで買われたが、インフレ進行の可能性は高まっていないことから、早期利上げ観測は後退し、ドル買いは一服。
4日発表の2月米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+24.2万人となったが、平均時給は前月比-0.1%で予想外の減少を記録したことを嫌気してドルは上げ渋った。NY原油先物は週間ベースで大幅高となり、主要国の株式は総じて堅調に推移したが、リスク選好的な円売り・米ドル買いは拡大しなかった。取引レンジ112円16銭-114円56銭。

■ドル・円は底堅い展開か、米FOMCを控えて調整的なドル買い増加も

今週のドル・円は底堅い展開か。今月15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、調整目的のドル買い・円売りがやや多くなりそうだ。8日発表の日本の10-12月期実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値から下方修正される見込みだが、これによって日本銀行による追加金融緩和への期待は高まりやすくなり、円売りがやや強まる見通し。

欧州中央銀行(ECB)が10日の理事会で一段の量的緩和を決定した場合、ユーロ売り・ドル買いが強まりそうだが、この影響でドル買い・円売りの取引が増えるとの見方が出ている。ただし、1ドル=115円台では利益確定を狙ったドル売りが増えるとの指摘もあり、ドル買いは115円台で一服する展開も想定しておきたい。

【日・10-12月期GDP改定値】(8日発表予定)
10-12月期実質国内総生産(GDP)改定値(年率換算)は速報値-1.4%に対し-1.6%への下振れが予想される。日銀による追加金融緩和への期待が高まりやすく、円売り材料となる可能性がある。

【米・2月輸入物価指数】(11日発表予定)
2月輸入物価指数(前月比)は1月実績の-1.1%から-0.8%に改善する見込み。15-16日の連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、輸入物価の下落に歯止めがかかっていることが確認された場合、追加利上げへの期待からドル買い材料となりそうだ。

予想レンジ:112円00銭-116円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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