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2016年03月04日16時07分

【特集】シンワアート Research Memo(3):海外再保険会社を設立


■新規事業における進展

今期は、将来の安定収益源となり得る新規事業として、医療ツーリズムとキャプティブ設立コンサルティングにおける事業モデルの構築に取り組んだ。各事業概要は以下のとおりである。

(1)医療ツーリズムの事業モデル

2016年1月には、香港にマーケティング拠点を開設※3するとともに、中国銀聯カード※4の決済機能を保有するCoporate Business Network Limitedとの業務提携により、決済プラットフォームの構築を目的とした合弁会社(出資比率は50%ずつ)を設立した。

※3 シンワアートオークション<2437>の連結子会社であるエーペックが香港の休眠会社の株式を100%取得し、名称を「Shinwa Medico Hong Kong Limited」に変更した。
※4 銀聯(ぎんれん)とは、中国の中国人民銀行の主導で2002年に設立された決済ネットワークで、決済後すぐに銀行の口座から代金が引き落とされるデビット方式であるところに特徴がある。現金を除くと中国国内では最も普及している決済手段となっている。

この合弁事業を通じて、Coporate Business Network Limited は中国銀聯カードの決済プラットフォームの具体的な運用を担う一方、Shinwa Medico Hong Kong Limitedは各地の旅行代理店との連携により中国・アジアからのインバウンド旅行者へのマーケティングを行うと同時に、決済プラットフォームに加盟する日本国内の医療機関の開拓を行うこととなる。

医療ツーリズムにおける事業モデルの特徴はこの決済プラットフォームにある。医療機関にとっては、安心して決済機能を利用できるほか、各種情報提供機能やサービスが備わっており加盟するメリットが大きい。また、同社にとっても、医療機関を囲い込むことでスケールメリットの享受やネットワーク外部性を働かせることができ、1人勝ちの事業モデルとなり得る。なお、同社には、決済手数料のほか、旅行代理店とのレベニューシェア(収益配分)により収益が積み上がる仕組みとなっているようだ。

(2)キャプティブ設立コンサルティング

キャプティブとは、自社のリスクを専門的に引受ける再保険子会社のことである。キャプティブを活用することにより、保険会社へ移転したリスクと保険料の一部を再保険の仕組みを使って、再度キャプティブへ移転し自家保険化することができる。事故発生率の抑制等を通じて、自社のリスク移転コストの効率化(収益性の向上)が可能となる。

同社は、これまで子会社のエーペックを通じて、太陽光発電施設に付与する損害保険の代理店事業を行ってきたが、本事業への参入により、既存の顧客企業等に対して、日本の元受保険会社の提供する保険商品の販売代理店として保険商品の販売を行うとともに、海外での再保険会社(キャプティブ)設立及び保険商品を通じてのより効率的な事業運営を提案する事が可能になる。案件成立までに時間や費用を要せず即効性が期待できるうえ、基本的に1年ごとの契約となることから積み上げ型のストックビジネスとして捉えることができる。非常に高度な金融知識が必要とされるが、外資系金融機関に勤務経験のある代表取締役社長の倉田陽一郎(くらたよういちろう)氏にとっては、なじみのある領域と考えられる。なお、同社においても米国ハワイ州のキャプティブの仕組みを利用して、海外再保険会社「APEC Reinsurance Co.,Ltd.」(エーペック子会社)を設立した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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