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【特集】オークファン Research Memo(9):先行投資の影響による悪化は一時的


■業績及び中期経営計画

(4)財務状態

オークファン<3674>の2015年9月末時点の総資産残高は前期末比2,165百万円増加し百4,294万円となった。内訳を見ると、流動資産は現金及び預金(258百万円)、売掛金(133百万円)の増加などにより前期末に比べ622百万円増加した。固定資産は、無形固定資産(922百万円)、投資その他の資産(594百万円)などが増加したことから同1,536百万円増加した。無形固定資産の増加は、NETSEAの買収等によりのれんが増加したほか、ソフトウェアが増加したため。

負債は前期末比1,909百万円増加し、2,122百万円となった。主な増加要因は、長期借入金と社債が増加したこととが主要因。長期借入金(1,250百万円、借入金利0.53%、借入期間2015年6月30日~2020年6月30日)はNESTEA株式の取得資金の充当を目的としたもの。社債(名称:(株)オークファン第1回無担保社債、総額625百万円、利率0.26%、償還期日2020年6月30日)は借入金の一部を返済するために発行したもの。一方、純資産は当期純利益の計上に伴い利益準備金が増加したことなどにより2,172百万円へ前期末比255百万円増加した。

NETSEAの子会社化に伴う借入の実行により、それまでの無借金経営から有利子負債1,872百万円を抱えることになったが、借入実行後の安全性を示す流動比率、自己資本比率、D/Eレシオいずれも問題視される水準ではないことに加えて、当面の大型M&Aは一巡したと考えられることを考慮すると、今後NETSEAのシナジー効果顕在化による収益拡大により財務状態の悪化は一時的で改善トレンドに転換すると弊社では見ている。

(5)キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは135百万円の収入となった。売上債権の増加による支出(133百万円)及び法人税等の支払額による支出(155百万円)があったものの、税金等調整前当期純利益 (181百万円)、減価償却費(149百万円)、減損損失(125百万円)、のれん償却額(89百万円)などの収入があったことなどが主な要因である。投資活動によるキャッシュ・フローは1,721百万円の支出となったが、連結範囲の変更を伴う子会社株式(NETSEA)の取得によるキャッシュアウト(1,345百万円)や投資有価証券の取得によるキャッシュアウト(388百万円)が主な要因である。財務活動によるキャッシュ・フローは1,843百万円の収入となったが、長期借入金の返済による支出(904百万円)があったものの、長期借入れによるキャッシュイン(2,000百万円)及び社債発行によるキャッシュイン(618百万円)があったことが主な要因である。これらの結果、現金及び現金同等物の増加額は258百万円となり、期末残高は1,402百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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