【経済】日銀によるETF購入は何のためか？

　日本銀行の黒田総裁は18日に開かれた参院財政金融委員会に出席し、半期報告をおこなった。黒田総裁はリスク資産購入について「あくまで物価目標早期実現のため」と答弁し、ECF購入については「株価維持のためではない」との見方を示した。


　物価目標の早期実現のためのETF購入という答弁となったが、株高になれば物価が上昇するというわけではない。日経平均株価が2万円に上昇する過程でも物価上昇の兆候は確認できなかった。市場関係者の間ではETFは株価維持（株高）のために行っていると理解されており、物価目標との関連性は極めて低いことは周知の事実。

　ETF購入を通じて物価動向に有意な影響を及ぼすことができなければ、他の手段を講じるべきだろう。日銀によるETF購入やGPIFなどの株式投資が国内株市場を下支えしていることは否めない。黒田総裁が「ETF購入は株価維持のためではない」と答弁することは、投資家の信頼低下を招くことになるかもしれない。
《MK》

　提供：フィスコ