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【通貨】欧米為替見通し:ドル弱含み、節目110円で下げ止まるか注視


週明けにかけての欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開となりそうだ。15日は米国市場が休場となるため、ポジション調整のドル売りが強まりやすいことが要因。ユーロ圏や日本の重要経済指標の内容や連休明けの中国市場の動向によって、ドルはさらに下押しされるかもしれない。このため、心理的節目の110円を維持できるか注視したい。

15日はプレジデンツ・デーで米国市場は休場となるため、今日はポジション調整のドル売りが強まりやすい展開となろう。ドル・円は9日のアジア取引時間帯に節目の115円を割り込んだ後は下値メドが見当たらず、11日の欧州市場で110円99銭まで売り込まれるなど、荒い値動きが続いている。ただ、今日19時発表のユーロ圏域内総生産(GDP)は上振れならセンチメントの改善でリスクオンのムードとなり、円買いの勢いを弱めるかもしれない。逆に下振れの場合には、欧州中銀(ECB)による一段の緩和への期待を背景にユーロ売り・ドル買いに振れ、ドル買い・円売りに波及し、ドル・円は下げ渋る可能性はあろう。

一方、15日8時50分発表の日本の10-12月期GDPは予想通り下振れれば、本来なら日銀による政策期待が高まり、ドル買い・円売りに振れるシナリオが考えられる。しかし、日銀の黒田東彦総裁は12日午前、衆議院財務金融委員会で「マイナス金利の効果は極めて明瞭に出ている」と述べた直後に株売り・円買いに振れた。このため、一段のマイナス金利が意識されると、政策期待は逆効果となるかもしれない。ドル・円は心理的節目110円を維持できないと、2週間あまりでドル10円安という下落ペースが意識されるため、一段のドル売りを誘発する展開を想定したい。なお、連休明けとなる中国市場が軟調となれば市場センチメントの悪化が増幅される可能性もあろう。

【今日の欧米市場の予定】

・16:00 独・10-12月期GDP速報値(前期比予想:+0.3%、7-9月期:+0.3%)
・16:00 独・1月消費者物価指数改定値(前年比予想:+0.5%、速報値:+0.5%)
・19:00 ユーロ圏・10-12月期GDP速報値(前期比予想:+0.3、7-9月期:+0.3%)
・19:00 ユーロ圏・12月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、11月:-0.7%)
・22:30 米・1月小売売上高(前月比予想:+0.1%、12月:-0.1%)
・22:30 米・1月輸入物価指数(前月比予想:-1.5%、12月:-1.2%)
・24:00 米・2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:92.3、1月:92.0)
・24:00 米・12月企業在庫(前月比予想:+0.1%、11月:-0.2%)
・24:00 ダドリーNY連銀総裁会見(家計債務関連)
・EU財務相理事会(ブリュッセル)

《FA》

 提供:フィスコ

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