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【市況】15000円割れ、メガバンクや通信株の動向に注目/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に続落。838.74円安の14874.65円(出来高概算22億4000万株)で前場の取引を終えた。2014年10月21日以来となる15000円を割り込んでいる。11日の海外市場では、欧州主要行の業績悪化懸念から欧州株が全面安となったほか、米国では前日のイエレンFRB議長の議会証言を受けて海外経済や米国景気の動向に警戒感が強まった。さらに原油先物相場が26ドル台と一段安となったほか、為替市場では日本の祝日で商いが細る局面での円急騰となり、一時1ドル110円台を付けていた。これらに加えて、オプションSQに絡んだ商いの影響もあり、幅広い銘柄に売りが先行した。
 節目の15000円割れでいったんは下げ渋りをみせたが、再び15000円を割り込むと、前引けにかけてじりじりと下げ幅を広げている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1880と全体の97%を占める全面安商状に。セクターでは33業種全てが下げており、その他金融、証券、海運、ゴム製品、情報通信、輸送用機器、化学、非鉄金属、医薬品、ガラス土石などの弱さが目立つ。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも大きく下げている。

 日経平均は約1年4ヶ月ぶりに節目の15000円を割り込んでいる。急ピッチの下げに対する自律反発も意識されやすいところではあろうが、週末要因のほか、原油相場や来週の春節明けの中国市場の動向への警戒もあり、様子見姿勢の強い相場展開になりそうだ。ただし、三菱UFJ<8306>が一時プラス圏を回復する場面もみられており、下げ渋りを見せてきている点は材料視されやすいだろう。
 また、相対的に堅調さが目立っていた通信株の一角がきつい下げとなっているが、NTTドコモ<9437>、NTT<9432>などは信用倍率が1倍を下回る売り長の需給でもあり、一段と取り組みに厚みが増している需給状況と考えられる。この辺りが下げ止まりをみせてくるようだと、次第に押し目拾いの動きが広がりをみせてくる可能性はありそうだ。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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