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【経済】NYの視点:イエレンFRB議長、利上げ続行もペースには迷い


イエレンFRB議長は米下院金融サービス委員会での証言で「FRBは経済が緩やかなペースでの利上げに限定し正当化すると予想している」とし、FRBが依然段階的な利上げの軌道上にあることを明らかにした。株式相場の下落やドル高が成長に害を与えるとしたものの、今四半期の成長ペースは強まるとの見通し。基本的な景気見通しに大きな変化は見られない。

ただ「金融状況がこれまでに比べて支援的でなくなった」とし、金融市場の引き締まりが長期化した場合、見通しを圧迫する可能性に言及。今後も金融市場を非常に注意深く監視していく方針を示した。このため、金融状況次第で追加利上げペースが一段と遅くなる可能性が強まった。

速やかな利上げ観測の後退に伴い米国債券相場は上昇。米国の10年債利回りは1.7%を割り込み2日来の低水準となった。しかし、ドイツや一時歴史上初めてマイナスに落ち込んだ日本の10年債の利回りに比べるとまだ投資妙味がある。このため、投資資金が一層、米国債に向かい、米国の金利も上昇しにくくなる。米国JPモルガン銀行は顧客向けレポートの中で、欧州中央銀行(ECB)が年半ばまでに預金金利を4.5%マイナス(現行0.3%マイナス)まで、日本銀行は3.45%マイナス(現行0.1%マイナス)まで引き下げる可能性があるとの見通しを示した。スウェーデン中銀は3.27%マイナス、英中銀は2.69%のマイナスまで可能だと指摘。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は「利下げの選択肢を近々協議する可能性は少ない」としたほか、マイナス金利の導入に関しては、「FRB権限の有無で依然懐疑的」としており、FRBが法的に実行することは困難と見られる。しかし、万が一、連邦準備制度理事会(FRB)がマイナス金利を導入した場合は1.3%マイナスまで引き下げることが可能だとの見解を示した。

《NO》

 提供:フィスコ

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