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【市況】波乱相場のなか、上方修正を発表する中小型株が目立つ【クロージング】


9日の日経平均は大幅に下落。918.86円安の16085.44円(出来高概算31億7000万株)で取引を終えた。一時16025.94円まで下げ幅を拡大させており、1月21日安値16017.26円に接近している。欧州で銀行の財務不安が再燃したほか、原油相場が30ドルを下回ったことが嫌気された。

リスク回避の流れが強まる中、16700円を割り込んで始まった日経平均は、その後もじりじりと下げ幅を拡大。為替市場ではドル・円が1ドル114円台に突入し、債券市場で10年債利回りが一時、初めてゼロ%に低下。この流れが嫌気されており、底打ちが見極めづらい状況が続いた。

セクターでは33業種全てが下げており、証券、銀行、海運の下落率が7%を超えている。また、輸送用機器、パルプ紙、精密機器、電気機器、ガラス土石、その他製品、その他金融、鉱業、鉄鋼、非鉄金属、化学、ゴム製品が6%を超える下げとなった。

まずは1月安値とのダブル・ボトム形成に期待したいところであるが、10日にイエレンFRB議長による米下院金融サービス委員会での証言が予定されているほか、12日には1月の米小売売上高が発表されるため、米国の利上げペースといった金融政策への思惑に振らされやすい相場展開が続こう。そのため、ダブル・ボトムを意識しても押し目拾いは入りづらい。

さらに金融株の下げが止まらない需給状況のため、センチメントを悪化させている。決算が本格化する中、上方修正を発表する中小型株が目立ってきており、こういった企業に短期筋の値幅取り狙いの資金が集中する日替わり物色が続きそうだ。

《AK》

 提供:フィスコ

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