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【市況】ボトム確認しづらい需給状況、好業績銘柄等は冷静に押し目を探る/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅反落。836.09円安の16168.21円(出来高概算14億3000万株)で前場の取引を終えた。8日の米国市場では、欧州で銀行の財務不安が再燃したほか、原油相場が30ドルを下回ったことが嫌気され、NYダウは一時400ドルを超す下落となる場面もみられた。その後は引けにかけて下げ幅を縮めているが、この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比540円安の16460円となり、これにさや寄せする格好で始まった。
 しかし、リスク回避の流れが強まっており、その後も日経平均はじりじりと下げ幅を拡大させている。為替市場ではドル・円が1ドル114円台に突入し、債券市場で10年債利回りが一時、初めてゼロ%に低下。この流れも嫌気される流れから日経平均は前引けにかけて一段安となり、下落幅は800円を超えている。
 セクターでは33業種全てが下げており、証券が8%超の下落だったほか、銀行、その他金融が6%を超える下げとなった。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1800を超えており、ほぼ全面安商状になっている。売買代金上位では全面安商状の中、COOKPAD<2193>、OLC<4661>が堅調。

 日経平均は寄り付きをほぼ高値として下げており、長い陰線を形成。これにより1月21日につけた安値が射程に入ってきている。ただし、円相場が1ドル114円台に突入し、10年債利回りが初めてゼロ%となる中では、ダブル・ボトム形成を意識した押し目買いも入れづらいところであろう。週末にオプションSQを控えている中で、日中の荒い値動きによって先物市場ではヘッジに伴う売りなども警戒されやすく、買いを入れづらい需給状況である。
 なにより、10日にイエレンFRB議長による米下院金融サービス委員会での証言が予定されている。米利上げペースへの思惑等から引き続き為替市場も含めて値動きの荒い展開になりやすく、リスク資産を売却する動きに向かわせやすい。とはいえ、COOKPAD<2193>、OLC<4661>が堅調に推移するなど、個別材料や決算を評価した物色は根強い。イレギュラー的な価格形成になりやすいが、好業績銘柄等は冷静に押し目を探りたいところである。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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