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【材料】アドバネクス---足元の業績は厳しいが自動車・医療向け拡大の見通しは変わらず


精密ばねメーカーのアドバネクス<5998>は5日、第3四半期累計(2015年4-12月期)決算を発表した。連結業績は、売上高が前年同期比33.7%減の145.17億円、営業利益が同36.0%減の4.92億円、経常利益が同38.7%減の4.91億円、純利益が同42.8%減の3.37億円となった。

事業の選択と集中を進める一環としてプラスチック事業子会社(第一化成ホールディングス)を連結対象から除外したことにより、売上高・利益とも大幅減となった。海外では自動車、医療、航空機向けなどが引き続き堅調で、売上高、営業利益は好調に推移した。一方、日本ではOA機器向け売上高が想定以上に減少し、埼玉工場の新設や船橋電子の編入による固定費増加を吸収できなかったことなどから、連結では売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が予想を下回る推移となった。

これまでの業績進捗や足元の業績動向などを鑑み、決算発表と同時に通期業績見通しを修正した。修正後の通期予想は、売上高192.00億円、営業利益6.00億円、経常利益6.00億円、純利益4.80億円を見込んでいる。

同社は、2015年2月に売上高350億円、営業利益40億円を主な数値目標とする中期経営計画を発表しているが、自動車・医療市場向けの売上高は順調に拡大しているなど、計画の見通しに変更は無いとしている。

同社は、大手精密ばねメーカー。“精密分野”に特化することで大手ばねメーカーと競合せず、また、海外に積極展開することで国内の精密ばねメーカーと価格競争をしない“グローバルニッチ”のビジネスを展開。対象市場をAV機器や通信端末から、より安定的な需要が見込める自動車市場に移行。第3の柱として医療・インフラを育成中。

同社の株価は業績下方修正を受け、1362円(2月8日終値)、PBR0.80倍まで低下し割安の水準となっている。

《SF》

 提供:フィスコ

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