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【市況】米国株式市場見通し:イエレン議長の議会証言に注目


5日に発表された雇用統計は、非農業部門雇用者数は予想を下ぶれたが、失業率や賃金に改善が見られた。10日から11日にかけて連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言が予定されている。雇用統計での失業率や賃金の改善を受けてFF金利の先物取引から算出される利上げ確率は3月が10%、6月が31%、9月が41%、12月が52%(5日時点)と年内の追加利上げ観測がやや強まっている。証言内容から年内の利上げペースについて何らかの手がかりをつかめるかが焦点となる。

10-12月期決算では、口コミサイトのイェルプ (8日)、飲料メーカーのコカ・コーラ (9日)、メディアのバイアコム(9日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(9日)、ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(10日)、旅行予約サイトのエクスペディア(10日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(10日)、短文投稿サイトのツイッター(10日)など主要企業決算が予定されている。ディズニーはスターウォーズ最新作の好調な興行成績が話題となる一方で、スポーツチャンネルESPNの契約者数減少や映画部門の成長懸念から、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け大幅安となっており、決算内容には注意が必要だ。

2月5日時点のファクトセット社の調査によると、S&P500構成銘柄のうち約63%が決算発表を行い、70%が利益、48%が売上高のアナリスト予想を上回った。素材やヘルスケア、通信技術セクターでの好決算を受け、第4四半期の企業利益成長率は12月末時点の予想から改善し、3.8%減となった。金融やエネルギーセクターでの業績悪化が目立っている。

経済指標では12月卸売在庫(9日)、1月輸入物価指数(12日)、1月小売売上高(12日)、2月ミシガン大学消費者信頼感指数(12日)などが予定されている。1月小売売上高は暖冬で衣料品需要が減退しているほか、燃料価格の下落によるガソリンスタンドの売上減少によって軟調な内容が予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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