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【特集】インテリックス Research Memo(5):事業期間が短縮し利益率が改善


■決算動向

(2)インテリックス<8940>のセグメント別状況

○中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)
中古マンション再生流通事業の売上高は、前年同期比36.0%増の15,645百万円、営業利益は同46.3%増の640百万円となった。

主力のリノヴェックスマンションは、販売件数が前年同期比22.1%増の657件、売上高が同36.7%増の15,534百万円となった。首都圏の販売件数は競争激化の影響により微減にとどまったものの、2013年から拠点展開を進めてきた地方店が前年同期比約3倍増の191件と大きく伸張したことが主因だ。また、販売単価についても新築マンションの供給戸数減や価格上昇を背景に、中古マンションの市況が堅調に推移したことによって、前年同期比12%上昇の23.6百万円となった。

仕入れについても当第2四半期累計は件数で前年同期比28.1%増の739件、仕入高で同42.1%増の11,600百万円と大きく伸ばしている。地方店が約2倍増の260件と順調に拡大していることに加えて、都心部を中心に首都圏についても同5.7%増と回復に転じており、第3四半期以降の販売増が期待される。

営業利益の増益要因は、リノヴェックスマンションの増収効果に加えて、粗利益率が12.5%と前年同期比で0.2ポイント上昇したことによる。前年同期は住設機器の納期遅れの問題で一時的に施工期間が長期化し、利益率の低下要因となったが、当期はこうした問題も解消し、事業期間(施工期間+販売期間)が前年同期の117日から114日に短縮したことが利益率の改善要因となった。なお、前期は仙台店において仕入拡大のスピードに施工能力が追い付かない状況も発生していたが、当期は各拠点ともに施工協力会社のネットワーク網が確立し、施工能力面での問題も払拭している。

○その他不動産事業
その他不動産事業の売上高は前年同期比278.6%増の3,655百万円、営業利益は同290.5%増の626百万円と大幅増収増益となった。不動産物件販売が前年同期比583.5%増の2,943百万円と急増したことが主因で、オフィスビルやレジデンス等で複数の物件売却が進んだほか、「アセットシェアリング原宿」の販売(771百万円)が寄与した。

また、不動産賃貸収入は同16.7%増の247百万円、その他収入は同43.9%増の464百万円といずれも2ケタ増収となった。その他収入に関しては、同業他社や個人向けのリノベーション内装工事請負が順調に拡大した。ただ、利益面では個人向けリノベーション需要の取り込みを図るため、2015年4月にオープンした「青山リノベーションスタジオ」の費用増などもあって、その他収入については横ばい水準にとどまった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YF》

 提供:フィスコ

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