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【通貨】欧米為替見通し:円買いを意識か、北朝鮮ミサイル発射観測で地政学リスクが浮上


今日の外為市場では、円買いが意識される展開となりそうだ。北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射の観測から地政学リスクが浮上しているほか、原油価格の不安定な値動きでリスク回避的な円買いが強まりやすいためだ。市場には株高・円安を狙ったマイナス金利導入の効果は長続きしていないとの見方が広がりつつある。

北朝鮮は2日、「今月8-25日の間に地球観測衛星を打ち上げる」と国際海事機関(IMO、本部ロンドン)などに通告しており、2012年12月以来、3年2カ月ぶりに長距離弾道ミサイルを発射するとみられる。韓国政府は、実行すれば北朝鮮は「大きな代償」を払うことになる、と北朝鮮をけん制。日本政府も迎撃ミサイルの配備で警戒態勢を強めるなど、東アジアに緊張が高まっている。仮にミサイルが発射された場合、中国と韓国は株安・通貨安に振れる見通しだが、日本は株安の一方でリスク回避の円高に振れる見通し。

また、日銀は前週末にマイナス金利導入が決定された後、東京市場では急激な株高・円安に振れたものの、原油価格は回復軌道に乗らないため市場の警戒感は後退せず、リスク回避的な円買いは強まっている。また、週明け以降、主要通貨は対円で利益確定売りが出やすい地合いとなっており、日銀の追加金融緩和の効果は長続きしていないとの声が聞かれる。今後も円安が進まないようだと、上値の重さを意識した投資家は株売り・円買いに転じる可能性があるため、円一段高の展開を想定しておきたい。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・1月総合PMI改定値(予想:53.5、速報値:53.5)
・18:00 ユーロ圏・1月サービス業PMI改定値(予想:53.6、速報値:53.6)
・18:30 英・1月サービス業PMI(予想:55.4、12月:55.5)
・18:30 英・1月総合PMI(予想:55.0、12月:55.3)
・19:00 ユーロ圏・12月小売売上高(前月比予想:+0.3%、11月:-0.3%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+8.8%)
・22:15 米・1月ADP全米雇用報告(予想:+19.3万人、12月:+25.7万人)
・23:45 米・1月サービス業PMI改定値(予想:53.7、速報値:53.7)
・24:00 米・1月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:55.1、12月:修正値55.8)

《SY》

 提供:フィスコ

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