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【経済】中国:資金供給を拡大、春節前の需要増に対処


春節(旧正月)前の需給ひっ迫を緩和するため、中国人民銀行(中央銀行)が資金供給を拡大している。人民銀は21日、公開市場操作のリバースレポを通じて4000億人民元の資金を供給(うち、2900億人民元が28日後に、1100億人民元が7日後に売り戻す条件)。1日当たりのリバースレポ規模は、2013年2月以来、約3年ぶりの大きさとなった。
すでに人民銀行は、今月14日から資金供給を拡大している。22日付香港経済日報によると、前述したリバースレポのほか、SLO(Short-term Liquidity Operation:公開市場短期流動性調節ツール)やMLF(Medium-term Lending Facility:中期貸出ファシリティー)、国庫定期預金などを通じて1兆8625億人民元の資金を供給。これは、2度の預金準備率引き下げによる資金供給額と同等の規模で、満期を迎えた金額を差し引いても1兆4975億人民元の「資金供給超」となった。

<資金不足の規模は2兆元超か>
実際、足元の資金需給はかなりひっ迫している。民生証券は現在の資金不足額について、「2兆~2兆2000億人民元」と試算し、うち、春節前の現金需要を約1兆人民元と算出した。このほか、納税額が約4000億人民元に達するほか、今月は約6000億~8000億人民元の外貨購入残高(外貨購入に伴う人民元供給額)が減少するとの見通しを示している。

<預金準備率の引き下げには慎重>
もっとも、人民銀は預金準備率の引き下げには慎重になっている模様。資金供給が行き過ぎれば、金利や為替に圧力がかかり、資金流出が一段と加速しかねないためだ。
これについて人民銀行研究局チーフエコノミストの馬駿氏は、「預金準備率の引き下げを過度に使えば、短期金利に過度の下押し圧力が掛かる恐れがあり、資本フローや為替の安定に不利になる」と指摘。人民銀行が現在、ジレンマに陥っているとの見方を示した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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