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2016年01月20日16時14分

【特集】アキテクツSJ Research Memo(8):家づくりの流れを変えたASJアカデミー(6)


■会社概要

○提案力の強化 ? 2名の建築家からの同時提案により成約率をアップ
コストクラッシュの他に成約率を抑制する要因として、プランの選択肢が限定されてしまうことが挙げられる。顧客(会員)は、プランニングコースでは通常1名の建築家を選び、プラン提案を受ける。建築家との相性の問題やプランに納得がいかなければ建築家の変更ができるが、実際には他社に流れてしまうケースが多い。

そこでアーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>では、2014年6月から「何名かの建築家のプランを比較して決めたい」というこだわりのニーズに対応する新サービス「プロポーザルコース」を開始した。新サービスは、建築予算3,000万円以上に限定され、1回に3名の建築家のプランをコンペにかけるもので、1回につき10万円(税別)の料金がかかる。このサービスを踏まえ、2015年4月からは同時に2名の建築家を指名して提案を比較検討し、1名を選ぶ「プランニングコースDUAL」をスタートさせた。料金は無料だ。1人の建築家が複数のプランを用意することがあるため、2名の建築家から比較検討できる2つ以上の提案を受けることになる。これにより顧客満足度が高まり、成約に結び付く確率が上がると同社では期待している。

「プランニングコースDUAL」では、同社の専門スタッフは会員の記入した「家づくりシート」「予算計画書」「現地情報」「スケジュール」などをベースに、計画に合う建築家を推薦する。また、顧客が指名した建築家のプランとコストを講評する際も同席する。従来、同社の専門スタッフはイベントのサポート役にとどまっていたが、今後は、専門知識を活かして会員へのコーチング的な役割を高めていく。同サービスの機能がスムーズに展開され、顧客満足度が向上し、成約率が上がるよう関与を強める方針だ。同社はこれまで収益源が建築家や加盟建設会社などの協業者の事業活動に依存してきており、住宅市場が悪化したときの業績管理が難しかった。しかし、「プランニングコースDUAL」のようにコミットメントを高めることで、業績予想の達成確度を向上させる。

○収益源の多様化 ? 安定収益源の多様化
ASJアカデミー本部の活動としては、宣伝広告や会員向け月刊情報誌の無料配布などがある。また加盟建設会社からは月額10万円の加盟料を徴収しており、加盟建設会社は積算ソフトウェアの利用や研修を受けられる。本部として、完成保証制度も整備している。一方、同様に月額固定収入を生むビジネスモデルとして、住宅設備機器及び建材メーカーに対して行うサービスを計画している。メーカーが渇望しているのは、消費の最前線で生まれる情報である。メーカーは、メーカー出荷や卸売の販売情報を入手できても、消費者が自社製品を他社のどの製品と比較し、採用・不採用としたのか、どのような価格帯やデザインの住宅に採用されることが多いかなどの情報の入手は困難だ。同社のITシステムであれば、「COSNAVI」上で出てくる情報を収集し、提供することが可能なので、メーカー20社が、同社の情報提供サービスへの参加の意向を示している。このような継続的な収入が固定費をカバーするようになれば、収益性の安定が増すことになろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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