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【特集】アキテクツSJ Research Memo(4):家づくりの流れを変えたASJアカデミー(2)


■会社概要

○すべての関係者にWin-Win-Winの関係を成立
ASJアカデミーのプラットホームに関わるすべての関係者にメリットがなければ、事業は長続きしない。アーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>の仕組みは、会員、登録建築家、加盟建設会社の間にWin-Win-Winの関係を成立させる。ASJアカデミー会員は、気に入ったプランに出会えるまで時間や費用を気にせず家づくりに励めるため、デザイナー建築への障壁が低くなったといえる。

一方建築家にとっては、イベントなど発表の場が与えられ、自分のデザイン・コンセプトに賛同する見込み客との出会いが増えるというメリットがある。同社のホームページでは、登録建築家の受賞歴や雑誌への掲載、テレビ番組出演などの情報を紹介している。また従来、建築家の活動範囲はアトリエ周辺に限定されがちだったが、全国に広がる可能性を得た。現場が遠隔地であっても、移動交通費はスタジオが負担する。

また地方の建設会社には、施工能力が高いものの営業力が不足し差別化要因に欠けるといった弱点があるが、加盟建設会社は、担当する地域であれば、地元はもとより、全国の登録建築家との家づくりに関わることができる。建築家が「最強の営業員」の役割を担ってくれるわけだ。ASJアカデミー上で進められた案件は、施主がプランを受け入れ建築が決まれば、入札なしに受注できる。さらにプランニングコースの打ち合わせには最初から参加しているため、施主、建築家との意思疎通がスムーズである。加えて、同社が開発した先進的な積算システムが利用できる。しかも2016年3月期からは本部の特定部材の集中購買を開始するため、仕入れコストの削減及びコスト競争力の向上が見込める。

○売上高構成比 ? スタジオロイヤリティが5割強
2015年3月期の売上高は1,451百万円であった。売上高は4つの項目により構成される。すなわち、スタジオロイヤリティ(売上高構成比52.6%)、マーケティング(同29.6%)、建築家フィー(同9.1%)、その他(同8.7%)である。

売上高比率が最大であるスタジオロイヤリティは、スタジオ(加盟建設会社)の新規加盟契約に掛かるスタジオ加盟金及び既存スタジオに掛かる月額ロイヤリティ、請負契約ロイヤリティなどである。マーケティングは、スタジオ単位で開催されるイベントに掛かる企画費及び販促物などのイベント関連売上高を内容とする。建築家フィーは、登録建築家の建築設計・監理業務委託契約に基づく設計料などに掛かるプロモーションフィーである。その他は、スタジオに対する各種書籍・情報誌及び建設資材・住宅設備などの販売による。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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