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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~短期需給の傾きを見極めながらの相場展開に


19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・短期需給の傾きを見極めながらの相場展開に
・ドル・円は117円44銭付近、中国の弱い指標を受けた株安でドル反落
・ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>、KDDI<9433>が日経平均値下がり寄与上位


■短期需給の傾きを見極めながらの相場展開に

日経平均は続落。121.44円安の16834.13円(出来高概算11億株)で前場の取引を終えている。18日の米国市場はキング牧師生誕日で休場だったが、欧州市場が総じて軟調だったことから、売りが先行。ただし、前日の下げでいったんは自律反発も意識されるなか、売り方の買戻しとみられる流れもあってか、一時17000円を回復する場面もみられた。

また、2015年の訪日外国人旅行者が3年連続で過去最高を更新したことを材料視する流れも一部でみられていた。その後は中国の経済指標へ関心が集まる中、15年10-12月期のGDPは前年同期比6.8%増だった。コンセンサスの範囲内だったこともあり、これを手掛かりに発表直後には17088.31円まで上げ幅を拡大させる場面もあった。

しかし、積極的に上値を買い上がる参加者がなく、中国の実体経済への根本的な不安は残ることから、次第に短期筋の利益確定に向かわせている。セクターでは保険、銀行、食料品、鉱業、水産農林、不動産などが軟調。一方で、その他製品、倉庫運輸がしっかり。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1100を超えており、全体の6割を占めている。

日経平均は一時17000円を回復する場面をみせたが、心理的な上値抵抗として意識されやすい。18日の米国市場の休場によって海外勢のフローは限られており、薄商いの中をインデックスに絡んだ商いに振らされやすい需給状況であろう。中国GDPなどの結果を受けた反応も限られており、手掛かり難の中での短期需給要因に振らされる展開になりそうである。

前場は17000円回復後の失速で本日の安値圏に位置している。後場は、売り仕掛け的な動きから、16800円を下回り、前日の安値水準を窺う可能性は意識しておく必要がありそうだ。ただし、参加者が限られていることもあり、下を売り込む流れが限定的となれば、ショートカバーから前場と反対の動きをみせてくる可能性もあるだろう。短期需給の傾きを見極めながらの相場展開に。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は117円44銭付近、中国の弱い指標を受けた株安でドル反落

ドル・円は117円44銭付近で推移。中国の経済指標の弱含みで日経平均株価が下落したことを受けた値動き。

ドル・円は仲値にかけて国内企業の買いにより上昇。また、日経平均がプラス圏に浮上したタイミングで117円71銭まで値を切り上げた。しかし、日本時間午前11時発表の7-9月期中国国内総生産(GDP)は予想通りだったが、12月鉱工業生産、同小売売上高はともに市場予想を下振れた。

中国の経済指標が嫌気され日経平均はマイナス圏に転落し、その後ドル・円は117円30銭まで値を下げた。ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏推移となっていることから、ドル・円は午後の取引も引き続き今日の安値圏でもみあう展開を予想する。

12時29分時点のドル・円は117円44銭、ユーロ・円は127円94銭、ポンド・円は167円33銭、豪ドル・円は80円54銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>、KDDI<9433>が日経平均値下がり寄与上位
・三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>などメガバンクがさえない
・投資判断引き上げの日写印<7915>、任天堂<7974>上昇、目標株価引き上げのスクエニ<9684>小じっかり


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・16:00 独・12月消費者物価指数改定値(前年比予想:+0.3%、速報値:+0.3%)

《SY》

 提供:フィスコ

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