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【通貨】為替週間見通し:ドル・円の上値は重いままか、米インフレ率を注視へ


■ドル弱含み、原油安・株安を嫌気してリスク回避の円買い広がる

先週のドル・円は弱含み。原油先物の一段安やアジア、欧米諸国の株安が続いたことを嫌気して、リスク回避的な円買いが広がった。米利上げペースを巡ってドルは118円台前半まで戻す場面があったが、15日のニューヨーク市場で米国株が大幅に反落したことを嫌気してドルは一時116円51銭まで下落した。豪ドル、カナダドルに対する円買いが活発となったこともドル安・円高を促す一因となった。取引レンジは116円51銭-118円38銭。

■ドル・円の上値は重いままか、米インフレ率を注視へ

今週のドル・円は上値の重い状態が続くことになりそうだ。原油価格の先安観や人民元相場の下落を受けて主要国の株式相場は大きく下げており、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに縮小する状況ではないとみられる。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今年4回の利上げを計画しているもようだが、中国経済の先行きに対する悲観論が広がっていることや世界経済の成長鈍化も予想されており、市場関係者の間では、年4回の利上げ実施に対する懐疑的な見方が広がっている。このため、12月消費者物価指数(インフレ率)が予想を下回った場合、利上げペースの鈍化を想定してドル売りがやや強まる可能性がある。

ただ、1ドル=116円台には国内勢や短期筋などのドル買い注文が多く残されており、新たなドル売り・円買い材料が提供されない場合、ドルは116円台で下げ止まる可能性がある。12月消費者物価指数が予想通りならば、年4回の利上げ期待は再び高まり、ドル買い・円売りがやや優勢となる見込み。

予想レンジ:115円00円-119円00銭

【米12月消費者物価指数】(20日発表予定)

12月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+0.8%でインフレ率は前回の+0.5%を上回る見込み。食品・エネルギーを除くコアインフレ率は前年比+2.1%で11月の+2.0%を上回ると予想されている。コアインフレ率が予想通りならば、市場コンセンサスである年4回の利上げ実施に対する期待が広がりそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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